「昨日まで100円安かっただろ」セール終了後も同じ値段を求めた客。数日後、再度来店した客の言葉とは
昨日まで安かった弁当
十年ほど前、住宅街のコンビニでアルバイトをしていたころの話です。
その週、店ではいくつかの弁当が期間限定で100円引きになっていました。
店頭にも案内が出ていて、数日間だけ通常より安く買えるキャンペーンです。
キャンペーンが終わった翌日の夕方、一人の男性が対象だった弁当をレジに持ってきました。
バーコードを読み取り、表示された金額を伝えると、男性が首をかしげます。
「これ、昨日まで100円安かったよね」
「はい。昨日で割引期間が終了したため、本日から通常価格に戻っています」
そう説明すると、男性は弁当を指さしました。
「同じ商品なのに、今日から急に100円上がるの?」
「商品自体の値上げではなく、期間限定の割引が終了した形になります」
男性はしばらく値札を見つめていました。
「昨日の値段では買えないの?」
「昨日までその値段だったんだから、今日も100円引きにしてくれない?そのつもりで買い物に来たんだけど」
男性にそう言われましたが、店員の判断で価格を変更することはできません。
「申し訳ありません。割引期間が終了しているため、今日は表示されている価格での販売になります」
「一日違うだけだろ、サービスしてよ」
「はい。ただ、期間が決まっているため、今日はこちらの価格になります」
後ろには数人のお客さんが並び始めていました。
男性は納得できない様子でしたが、私は同じ説明を繰り返すしかありませんでした。
やがて店長もレジに来て、キャンペーンは前日までだったことを説明します。
すると男性はため息をつきました。
「分かったよ。じゃあ今日はこの値段なんだな」
結局、男性は通常価格で弁当を購入し、そのまま店を出ていきました。
長いやり取りではありませんでしたが、混雑している時間に強い口調で何度も聞かれたこともあり、私は会計が終わったあともしばらく緊張していました。
数日後、また同じ男性が来た
数日後、私は朝のレジに入っていました。
出勤前のお客さんが続けて来るなか、見覚えのある男性が商品を持って並んでいます。
先日の男性でした。
今回は飲み物とパンをレジに置き、表示された金額を確認すると、そのまま支払いを済ませます。
袋を渡したとき、男性が少し気まずそうに言いました。
「この前の弁当、あれは期間が終わったから戻っただけだったんだよね」
「はい、そうなんです」
「あのときは何度も聞いて悪かったね、怒ってしまって話をよく聞いてなかったよ」
私は思わず「いえ、大丈夫です」と答えました。
男性はそれ以上何も言わず、「ありがとう」と言って店を出ていきました。
その後も何度か男性を見かけましたが、特に変わったやり取りはありません。普通に商品を選び、普通に会計をして帰っていきます。
レジでは、値段が変わった理由がすぐには伝わらないこともあります。相手が納得していないときほど、感情的にならず、分かりやすく説明することが大切なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














