「親戚の食事代は、長男が払うものだろ」毎回10万円近く負担していた夫。だが、ついに口にした一言
帰省のたびに増える出費
夫の実家では、盆や正月になると親戚が集まって食事をするのが恒例でした。
集まるのは義両親をはじめ、叔父や叔母、従兄弟の家族など十数人です。
にぎやかな集まり自体は嫌いではありませんでしたが、私には一つだけ気が重いことがありました。
食事代を、毎回のように夫がまとめて支払っていたのです。
一度の会計は、多いときで10万円近くになります。
「今回も全部払うの?」
帰省前、私は夫に何度か聞きました。
「長男だから仕方ないって、父さんが昔から言うんだよ」
夫も納得しているわけではないようでした。それでも両親や親戚の前で話をこじらせたくないという気持ちから、これまでは財布を出していたのです。
しかし、年に何度も続けば家計への負担は小さくありません。
子どもにかかる費用も増えてきたことから、私たちは次の集まりを前に、きちんと話し合うことにしました。
「長男が払うものだろ」
その年の正月も、親戚十数人で食事をしました。
食事が終わり、店員さんが伝票を持ってくると、義父がいつものように夫のほうへ差し出します。
「じゃあ、今回も頼むな」
夫は伝票を受け取りましたが、財布には手を伸ばしませんでした。
「父さん、今回はみんなで分けない?」
義父は少し驚いたような顔をします。
「親戚の食事代は、長男が払うものだろ」
夫は少し間を置いてから、静かに答えました。
「今まではそうしてきたけど、これからも毎回は難しいよ。うちにも生活があるから」
周囲の会話が、一瞬止まりました。
私は隣で黙っていましたが、夫が自分から言ってくれたことに少し驚きました。
「それぞれの家族の分を出そう」
最初に口を開いたのは、従兄弟でした。
「それなら、うちは自分たちの家族の分を出すよ」
すると叔母も続きます。
「そうね。今までずっと任せていたほうがおかしかったかもしれないね」
義母も申し訳なさそうに夫を見ました。
「今まで負担をかけていたのね。ごめんなさい」
その日は、各家庭がおおよその人数分を出し合うことになりました。
最後まで少し不満そうだった義父も、周囲が自然に財布を出しているのを見ると、それ以上は何も言いませんでした。
帰りの車の中で、私は夫に言いました。
「言ってくれてありがとう」
夫は前を向いたまま、少し笑いました。
「もっと早く言えばよかったな」
長男だからといって、一つの家庭だけが負担し続けなければならない理由はありません。
それ以降の集まりでは、それぞれの家庭が自分たちの分を負担する形が自然と定着しました。
帰省のたびに感じていた重苦しさも、少しずつなくなっていきました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














