「いったん砂場から出ようか」友達のバケツを離さず泣いた子供。だが、母親が怒らず取った行動とは
使っていたバケツを、そのまま持っていった子
日曜日の午後、子どもを連れて近所の公園へ行ったときのことです。
砂場には何組かの親子がいて、子どもたちはバケツやスコップを使いながら遊んでいました。
私も砂場の縁に座り、少し離れたところから子どもの様子を見ていました。
そこへ、3歳くらいの子どもを連れたお母さんがやってきました。
しばらくは何事もなく遊んでいたのですが、その子が近くにあった黄色いバケツを手に取ります。
ところが、それは別の子が使っていたものでした。
「それ、まだ使ってるみたいだよ」
お母さんが声をかけましたが、子どもはバケツを抱えたまま離そうとしません。
持ち主の子も困ったように見ていて、砂場の周りにいた大人たちも何となく成り行きを見守っていました。
怒るのかと思って見ていると
お母さんは子どものそばまで行き、しゃがんで声をかけました。
「使いたかったんだね。でも、今はお友達が使ってるよ。貸してって聞いてみようか」
しかし子どもは首を振り、バケツをさらに強く抱えます。
もう一度声をかけても、今度は泣き始めてしまいました。
私は内心、ここから大きな声で叱るのかなと思っていました。
ところが、お母さんは声を荒らげませんでした。
「じゃあ、いったん砂場から出ようか」
そう言って子どもを抱き上げると、バケツを元の場所へ戻し、砂場から少し離れた木陰へ移動したのです。
子どもはしばらく泣いていましたが、お母さんは急かす様子もなく、隣に座っていました。
落ち着いてから、もう一度戻ってきた
数分たったころでしょうか。
泣き声が聞こえなくなり、親子が再び砂場へ戻ってきました。
お母さんは黄色いバケツを使っていた子の近くまで行くと、自分の子に小さな声で何か話しかけます。
すると子どもは少し迷ったあと、「かして」と声をかけました。
すぐに貸してもらえたわけではありません。相手の子はまだ遊んでいたので、お母さんも「終わるまで待とうね」と伝えていました。
その子は少し不満そうな顔をしていましたが、今度は別のスコップを手に取り、近くで遊び始めました。
しばらくしてバケツが空くと、持ち主の子がそっと渡してくれました。
大げさな出来事ではありません。ただ、泣いたからすぐに渡してもらうのでもなく、大声で叱って終わらせるのでもなく、一度その場を離れて落ち着くのを待つ。
砂場でほんの数分見かけただけの光景でしたが、子どもが興奮しているときには、その場で何とかしようとしない方法もあるのだなと、少し印象に残りました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














