tend Editorial Team

2026.08.08(Sat)

「香典、いくら包んだ?」葬儀前の控室で金額を聞き回る叔父。だが、親族が叔父を止めた瞬間

「香典、いくら包んだ?」葬儀前の控室で金額を聞き回る叔父。だが、親族が叔父を止めた瞬間

葬儀が始まる前の親族控室で

数年前、伯母の葬儀に参列したときのことです。

午前中に葬儀会館へ到着した私は、受付で香典を渡したあと、母と一緒に親族控室へ向かいました。

控室にはすでに十数人の親族が集まっていました。久しぶりに顔を合わせる人もいましたが、誰もが声を抑え、故人との思い出を静かに話していました。

葬儀の開始時刻が近づき、係の方から式場へ移動するよう案内があったころです。

伯母の弟にあたる叔父が、近くにいた従兄へ声をかけました。

「ところで、お前はいくら包んだんだ?」

突然の質問に、従兄は困ったように笑いました。

「金額は、ここで話すことじゃないでしょう」

ところが叔父は引き下がりません。

「親戚なんだから、ある程度はそろえたほうがいいだろう。少なすぎたら恥ずかしいぞ」

声が少し大きかったため、式場へ向かおうとしていた周囲の親族にも聞こえていました。

従兄は返事をせず、手にしていた数珠へ目を落としました。

私も少し離れた場所にいましたが、聞いているだけで居心地が悪くなりました。香典は故人との関係や、それぞれの事情を考えて包むものです。他人が葬儀の場で金額を尋ねることではないと思いました。

それでも叔父は、今度は別の親族に向かって尋ねました。

「そっちはいくらにした?」

尋ねられた人は曖昧に笑いながら、「その話はまた今度にしましょう」と答えました。

しかし叔父は、「今確認しておいたほうがいい」と言い、まだ話を続けようとしました。

親族のひと言で会話が止まった

そのとき、近くにいた年長の親族が叔父のそばへ歩み寄りました。

伯母とは長年交流があり、親族の中でも叔父が昔から一目置いている人でした。

その人は叔父だけに聞こえる程度の声で言いました。

「香典の金額は、それぞれが考えて決めることです」

続けて、式場の入り口を示しました。

「もう葬儀が始まります。今日はその話をする日ではないでしょう」

強い口調ではありませんでしたが、叔父はそれ以上何も言いませんでした。

納得したというより、周囲の視線に気づいたようでした。叔父は少し不満そうな顔をしながらも、黙って式場へ入りました。

私たちも案内に従って席へ移動しました。

葬儀が始まると、先ほどまでの気まずさは次第に薄れ、会場には読経の声が静かに響きました。焼香も滞りなく進み、伯母を落ち着いて見送ることができました。

葬儀が終わったあと、金額を尋ねられていた従兄が、注意してくれた親族に小さな声でお礼を伝えていました。

叔父から謝罪の言葉はありませんでした。その後も少し気まずそうにしていましたが、香典について再び尋ねることはありませんでした。

故人を見送る場では、親族同士であっても踏み込んではいけない話があります。

誰かを言い負かすのではなく、その場にふさわしくない話だと静かに伝えた親族の対応が、今も印象に残っています。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.05(Mon)

「えー、かわいい!これ着る!」買い物に失敗したと思った母。数年後、娘を見て笑った理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「昨日のは、なんていう曲?」隣のお風呂の歌声を気にしていた私。だが、ママ友の一言で固まった理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「Mなら余裕だよ」とサイズ表を見なかった私。だが、届いたジャケットを長男が着て分かった勘違い
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.09.01(Tue)

「田舎は近所付き合いが大変そう」覚悟して地方へ移住した20代女性。だが、実際に暮らして分かった現実
tend管理者

2025.10.04(Sat)

へずまりゅう氏、前川喜平氏の痛烈批判に反論。SNSでは「へずまさん返しが最高」と称賛の声も
tend Editorial Team

2025.09.08(Mon)

「なんだ…人形か…」と見間違える声も。娘さんが何気なく立てた超特大オオサンショウウオぬいぐるみの写真が話題に!
tend Editorial Team