「ゴミ袋を開けるのはやめてもらえませんか」ゴミの分別を注意する隣人。だが、入居2か月の僕が返した一言
入居して2か月、2度開けられたゴミ袋
9月に入居したのは、3階建てアパートの2階だった。
挨拶に行った隣の部屋には、30代くらいの夫婦と幼稚園に通う男の子が住んでいた。
奥さんは町内会の班長も務めていると聞いた。
入居して2か月ほどのあいだに、僕はその奥さんからゴミの分別について2度注意された。
1度目は、集積所に出した袋が二つに分け直されていた。
2度目も結び目がほどかれ、中身を分けた形跡があった。
そのたびに奥さんから、「これはこっちに分けておいたから」「次から気をつけてね」と声をかけられた。
分別を間違えた自分にも落ち度はある。それでも、自分のゴミ袋を開けられることには抵抗があった。
11月の昼休み、ぼんやり弁当を見ていた僕に、隣の席の先輩が声をかけてきた。
「どうした?朝から元気ないな」
「入居して2か月で、ゴミ袋の中身を2度見られたんです」
「え、中身を?袋を開けられたってこと?」
「はい。分別を直しておいたって、隣の奥さんに言われて…」
先輩は少し考えてから言った。
「分別を間違えたなら、そこは直せばいい。でも、袋を開けられるのが嫌なら、そのことは伝えていいんじゃないか。言いにくかったら管理会社に相談してみたら?」
階段で伝えた、やめてほしいこと
その週末、階段で奥さんと顔を合わせた。
「プラの日は水曜だからね。この前も分けておいたから」
「教えてくださって、ありがとうございます。これから気をつけます」
僕は一度頭を下げ、それから続けた。
「ただ、ゴミ袋を開けるのはやめてもらえませんか。何かあったら、直接言ってください」
奥さんは少し驚いたように僕を見た。
「そんなつもりじゃ…」
言葉が途切れ、しばらくしてから小さくうなずいた。
「…分かったわ」
翌日、僕は管理会社にも事情を伝えた。担当者は話を聞いたあと、建物全体に注意文を配ると言ってくれた。
週明け、ポストに一枚のお知らせが入っていた。ゴミは決められた方法で分別すること。そして、ほかの住人のゴミ袋を開けず、気になることがあれば管理会社へ連絡してほしいという内容だった。
同じものが集積所にも貼られていた。
その日の夕方、3階に住む若い夫婦が掲示を読んでいる姿を見かけた。
それ以来、僕のゴミ袋が開けられたことは一度もない。奥さんとは今も、会えば普通に挨拶をしている。
昨日の朝も、奥さんは男の子と階段を下りながら、僕に「おはようございます」と声をかけた。僕もいつもどおり「おはようございます」と返した。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














