「もしもし、大丈夫ですか?」運動会のシートで寝ていたスーツ姿の男性。徒競走の合図が鳴った直後に起きた珍事
妻の言葉どおり、前日から埋まるグラウンド
土曜日、妻から、子どもの小学校の運動会の場所取りを頼まれました。運動会は翌日の日曜日。私は当日の朝でも間に合うと思っていました。
「朝早く行けば、どこか空いてるんじゃない?」
ところが妻は、あきれた様子で言います。
「前日に行かないと、いい場所は取れないの!」
そこまで言うなら、とブルーシートを持ってグラウンドへ。
着いてみると、すでに大勢の保護者がシートを広げていて、思わず足が止まりました。
「本当に、もうこんなに…」
妻の言ったとおりです。なんとかゴールの近くに空いている場所を見つけ、私もシートを広げました。
帰宅すると、さっそく妻に報告しました。
「ゴールの近く、取れたぞ」
「ほんと?よかった! 明日はお弁当を作ってから行くね」
得意になっていた私は、翌朝あんな光景を見るとは思ってもいませんでした。
ピストルの音で飛び起きた男性
翌朝、私は妻より先に小学校のグラウンドへ向かいました。
昨日広げたブルーシートを見つけた瞬間、思わず立ち止まります。
シートの真ん中に、見知らぬスーツ姿の男性があおむけになって寝ていたのです。
近づくとかすかにお酒のにおいがしました。
前の晩に飲んで、そのまま眠ってしまったのでしょうか。事情は分かりません。
「あの、すみません。大丈夫ですか?」
横にしゃがんで肩をたたいてみましたが、返事はありません。
声を大きくしても、肩を揺すっても、男性は目を開けませんでした。
近くの保護者も様子に気づき、後ろのシートにいたお母さんが声をかけてきました。
「……全然、起きませんね」
「そうなんです。どうしたものか……」
心配になりながらも、私は男性のそばで声をかけ続けました。
そうこうしているうちに開会式が終わり、最初の徒競走が始まろうとしていました。
係の先生がピストルを掲げます。
パンッ!
乾いた音が響いた途端、男性がばっと跳ね起きました。
そして背筋を伸ばすと、なぜかびしっと敬礼したのです。
「えっ!」
私も周りの保護者も驚き、すぐに笑い声が漏れました。
男性はきょろきょろと見回し、自分がどこにいるのか気づいたようでした。
「あ……すみません。本当に、ご迷惑をおかけしました」
「いや、起きられてよかったです。びっくりしましたけど」
男性は顔を赤くして何度も頭を下げ、足早にグラウンドから出ていきました。
そのあと、お弁当を抱えた妻がやって来ました。
「どう?いい場所だったでしょ?」
「ああ。でも、前日に取ったのに先客がいたよ」
「え、どういうこと?」
妻が目を丸くする横で、後ろのシートのお母さんがまた吹き出しました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














