「細かい人だな」レジで金額を確認する女性客にあきれた私。翌朝、同じ店員にレシートを差し出したワケ
急いでいた夕方、なかなか進まないレジ
夕飯の支度に間に合わせたくて、私は少し急いでいました。
スーパーで野菜と切らしていた牛乳をかごに入れ、いちばん短そうなレジの列に並んだときのことです。
ところが、なかなか順番が回ってきません。
前を見ると、会計を終えた年配の女性客が、レシートを手に店員と話していました。
「すみません、ちょっと見ていただけますか」
「はい、どうされました?」
「買うものを数えて、だいたいの金額を考えていたんですけど…。どうも合わなくて」
女性客はレシートを指さしながら、店員に説明していました。
後ろには会計を待つ人が並んでいます。それでも女性客は、納得できないところを一つずつ確認していました。
私はかごを持ち直しながら、思わず心の中でつぶやきました。
「細かい人だな…」
少しくらいの違いなら、もう帰ればいいのに。
そんなことを考えながら、私はレジの様子を見ていました。
すると、店員が落ち着いた声で言いました。
「そうでしたか。では、一緒に確認させてくださいね」
店員はレジの画面に記録を表示し、商品を一つずつ確認し始めました。
しばらくして、店員の手が止まりました。
「あっ……申し訳ありません。同じ商品を2回打っていました」
店員が謝り、すぐに返金の対応をしました。
「ああ、よかった。私の勘違いかと思って」
女性客はほっとしたように笑い、レシートをしまいました。
その姿を見て、私は急に気まずくなりました。
さっきまで「細かい」と思っていたのに、実際に間違いがあったのです。確かめたいと思うのは当然だったのかもしれません。
翌朝、同じレジに並んだ私
その夜、買い物に使ったエコバッグをたたんでいると、底からくしゃくしゃになったレシートが出てきました。
いつもならそのまま捨てるところです。
けれど、夕方の女性客のことを思い出し、何となく広げてみました。
「えっ、ちょっと待って…」
牛乳が2回打ち込まれていたのです。
冷蔵庫に入れた牛乳は、間違いなく1本だけ。
私はレシートと冷蔵庫を見比べ、思わず苦笑いしてしまいました。
「うそでしょ。私もじゃない……」
あれだけ女性客にあきれていたのに、私は自分の会計をまったく確認していなかったのです。
翌朝、私はレシートを持ってスーパーへ向かいました。
昨日と同じレジに並び、順番を待ちます。
カウンターの向こうにいたのは、偶然にも昨日の店員でした。
「おはようございます」
いつもどおりの挨拶に、私は少しためらいながらレシートを差し出しました。
「あの、昨日ここで買ったんですけど……。牛乳を1本しか買っていないのに、2本になっていて」
言いながら、顔が熱くなりました。
昨日、心の中で「細かい人だな」と思った女性客と、今の私はまったく同じことをしているのです。
店員はレシートを見ると、穏やかに答えました。
「申し訳ありません。一緒に確認させてください」
確認が終わると、すぐに返金してくれました。
「こちらの間違いでした。気づいてくださってありがとうございます」
私は「いえ、お願いします」と小さく頭を下げ、レジを離れました。
昨日の女性客は、決して細かいことにこだわっていたわけではありません。自分が買ったものを、きちんと確かめていただけでした。
心の中で、あの女性客に「ありがとう」と伝えました。
それ以来、財布にレシートをしまう前に、一度広げて確認するようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














