「合ってる合ってる。もういいから」注文確認を切り上げた男性客。だが、受け取り窓口で怒鳴り始めた結果
何度も確認したはずの注文
ファストフード店で、ドライブスルーを担当していたときのことです。
私の店では、ヘッドセットで注文を受け、スピーカーの横にある画面で内容を確認してもらう決まりになっていました。
ある日の昼どき、一人の男性客がやってきました。
男性は注文の途中で何度も商品を言い直し、そのたびに私は内容を打ち直していました。
ようやく注文が決まり、最後に内容を読み上げて確認をお願いすると、男性はいらだった声で答えました。
「合ってる合ってる。もういいから」
私は確認を終え、会計の窓口へ向かいました。
ところが、男性が車でやってくると、代金を出す前に突然文句を言い始めたのです。
「あんたさ、しゃべり方が感じ悪いんだよ。何回も確認させるなよ」
「申し訳ございません。注文を間違えないように確認しておりまして……」
「だから、そういうのがいらないんだって!」
男性は代金を投げるように置くと、受け取りの窓口へ車を進めていきました。
私は驚きながらも、次のお客様の対応に戻りました。
受け取り窓口で再び怒り出した男性
しばらくすると、受け取り窓口を担当していた同僚が、困った顔で私を呼びに来ました。
先ほどの男性が「頼んだものと違う」と商品を突き返し、注文を受けた店員を呼ぶよう要求しているというのです。
私が窓口へ向かうと、男性は運転席から身を乗り出していました。
「なんだ、お前か!注文もまともに聞けないのかよ!」
「申し訳ございません。どちらの商品が違っていましたか?」
「だから、頼んだものと違うって言ってるだろ!ちゃんと聞いてなかったんじゃないのか!」
男性は怒ったまま、こちらの話を聞こうとしません。
後ろには何台もの車が並び、私もどう対応すればよいのか分からなくなっていました。
そこへ、騒ぎに気づいた店長が奥から出てきました。
店長に事情を聞かれた私は、男性が何度か注文を言い直したこと、最後には「合ってる」と返事をしていたことを伝えました。
店長はレジに残っている注文履歴を確認すると、男性に向かって落ち着いた声で話しました。
「お客様、こちらの注文履歴と、お渡しした商品は一致しています」
「はあ?そんなはずないだろ。俺はちゃんと言ったぞ!」
「そうでしたか。こちらでは確認画面に表示した内容で注文をお受けしています。どちらの商品をご希望でしたか?」
男性は何か言い返そうとしましたが、途中で口を閉じました。
店長はそれ以上責めることなく、男性の返事を待っていました。
しかし、男性は何も答えません。
しばらくすると、こちらを見ないまま車を発進させました。
その姿を見送ったあと、店長が私に声をかけてくれました。
「大丈夫?ちゃんと確認してたんだから、気にしなくていいよ」
その言葉を聞いて、ようやくほっとしました。
実は、あの男性は今でもときどき店に来ます。
ただ、あの日以来、注文内容の確認をお願いしても、以前のように「もういいから」と急かすことはなくなりました。
むしろ、こちらが読み上げ終わってからも、少し間を置いて返事をするようになったのです。
あの日のことを覚えているのかは分かりません。
それでも、あれほど確認を嫌がっていた男性が、今では誰よりも慎重に確認しているように感じます。
その変化を見るたびに、私はあの日の出来事を思い出します。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














