「次のおもちゃが届いたら、ちょっと話そうか」買いすぎを気にしていた夫。だが、息子の行動を見て考えが変わったワケ
おもちゃが増えるたびに気になっていたこと
妻は2歳の息子が喜びそうなおもちゃを見つけると、迷わず買ってきます。
新しいおもちゃに飛びつく息子を、妻はいつも隣でうれしそうに眺めていました。
ただ、その熱は長続きしません。少し遊ぶと、息子は別のものに興味を移してしまいます。
夜、居間を片づけるころには、床におもちゃがいくつも転がっていました。
「この積み木、最近遊んでるの見ないな」
「今はブロックのほうが好きみたい。その前は、あのラッパだったし」
妻は床からラッパを拾い、軽く鳴らして笑いました。
私は積み木を手にしたまま、何とも言えない気持ちになります。どれも買ったばかりのころは、息子が夢中になっていたものです。
おもちゃを買っても、すぐ飽きてしまう。
それなら、こんなに増やさなくてもいいのではないか。そう思う一方で、喜ぶ息子の顔を見たいという妻の気持ちも分かりました。
「次のおもちゃが届いたら、ちょっと話そうか」
「え、何の話?」
「おもちゃのこと。息子が遊んでるところを見てからにしたいんだ」
新しいおもちゃをすぐに放り出すところを見れば、妻にも私の気持ちが伝わるはず。私はそう考えて、その日を待ちました。
新しいおもちゃより夢中になったもの
しばらくたったある日の昼、宅配便で新しいおもちゃが届きました。
妻が居間の床で大きな段ボール箱を開け、乗り物のおもちゃを取り出します。私はそのそばで、息子の反応を見ていました。
「はい、どうぞ。新しいのだよ」
息子はおもちゃをちらりと見て、すぐ床に置いてしまいました。
ほら、やっぱり。そう思って妻に声をかけようとした、そのときです。
息子は空になった段ボール箱によじのぼり、中にすとんと座りました。
「はいった!」
箱のふちを両手でつかみ、運転しているつもりなのか、体を楽しそうに揺らしています。
やがて自分で箱のふたを閉め、中に隠れてしまいました。
妻が箱の前にしゃがむと、ふたがぱっと開きます。
「ばあ!」
顔を出した息子は、声を上げて大笑い。妻も笑い、私までつられて吹き出してしまいました。
新しいおもちゃは、すぐそばの床に置かれたままです。
「そういえば、話があるって言ってなかった?」
「……うん。でも、今日はやめておくよ」
私はおもちゃの買いすぎを指摘するつもりでした。でも息子は、おもちゃに飽きたというより、今は箱そのものが面白くて仕方がないようでした。
その夜、夫婦で出した結論
その夜、息子が寝たあと、妻と改めておもちゃの話をしました。
買い方について言いたいことはあったはずなのに、昼間の息子を思い出すと、最初に出てきたのは別の言葉でした。
「箱は捨てないでおこう」
妻は笑いながら、大きくうなずきました。
息子が何に夢中になるかは、私たちの思いどおりにはいかないものです。少なくとも、あの箱をすぐ捨てるのはもったいない。そう思えました。
それからしばらく、居間のすみには、息子専用の段ボール箱の車が置かれることになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














