「分かってほしかっただけなのに」母との会話でうまく言葉が出なかった夜→家族だから余計につらいすれ違いの正体
ずっと言えなかったことを、やっと口にした夜
社会人1年目の秋、久しぶりに実家へ帰ったときのことです。
夕食後、母とリビングでゆっくり話す時間ができて、私はずっと心にひっかかっていたことを口にすることにしました。
就職活動のとき、私が入りたかった会社を母が強く反対し続けた。
結局その会社には入社したけれど、「なぜ反対したのか」「どうして私の気持ちを聞こうとしなかったのか」という気持ちが、ずっと消化できていなかったのです。
「あのとき、もう少しだけ話を聞いてほしかった」
責めたいわけじゃない。
ただ、そう伝えたかっただけでした。
母はしばらく黙っていました。
それからぽつりと言ったのです。
「なんで怒ってるか分からない」
家族だから、余計に言葉が詰まる
その返し方に、私は少し固まりました。
怒っているわけじゃなくて。
「分かってほしかっただけなのに」
胸の中でそうつぶやきましたが、声には出せませんでした。
でも、それをさらに説明する言葉が出てこなくて、「そっか、ごめん」と笑って話を終わらせてしまいました。
母はすぐにテレビに目を戻して、何事もなかったように夜が続きます。
傷つけたくなくて黙るけれど、黙ると自分だけが我慢しているような気分になる。
近い存在だからこそ、分かり合えるはずだと期待してしまう。
だから、すれ違ったときのダメージが大きくなる。
その夜布団に入ってから、私はそのことをぐるぐると考え続けました。
母が心配してくれていたのは分かっています。
感謝している気持ちも本当です。
でも「分かってほしかっただけなのに」という気持ちは、感謝とは別のところにちゃんと存在していて、簡単に消えてくれないのです。
家族だから言いにくい。
家族だから余計つらい。
言葉にすればもっと傷つけてしまいそうで、結局のみ込むしかない。
のみ込むたびに、自分だけが我慢している感覚だけが残っていく。
あの夜から小さな棘が一本、胸の奥にずっと刺さったままです。
たぶんこの棘は、これからもふとした瞬間に思い出して、そのたびに少し痛むのだろうと思っています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














