「どうして、ここにあるって知ってるんですか?」伯母の遺品整理中、親戚が封筒の隠し場所を言い当てた瞬間に感じた違和感
亡くなった伯母のタンスから見つかったもの
伯母が亡くなったあと、私は従兄弟と一緒に、伯母の家の片づけを手伝っていました。
残された伯父は高齢で、息子である従兄弟は独身です。従兄弟は平日は仕事があり、車も持っていなかったため、役所の手続きなども私が付き添っていました。
ある日、和室に置かれた伯母の古いタンスを整理していたときのことです。
引き出しの底から、ずっしりと厚みのある封筒が出てきました。
「これ、何だろう?」
従兄弟が封筒の口を少し開けると、中にはお札の束が入っていました。
「えっ、お金?」
驚いて引き出しの中を確認すると、同じような封筒がほかにも見つかったのです。
「こんなところに入れてたんだ…」
従兄弟は困惑していました。私も、まさかタンスの中に現金が隠されているとは思っていませんでした。
そのとき、ふと伯母が生前に話していた言葉を思い出しました。
以前、このタンスの前で、伯母が私に小声でこう言ったことがあったのです。
「この引き出しのことは、誰にも言っていないのよ」
当時は何のことなのか分かりませんでしたが、今思えば、あの封筒のことだったのかもしれません。
突然やってきた親戚の不可解な行動
それから数日後の夕方、遠い親戚から「片づけを手伝いに行きたい」と連絡がありました。
伯母が亡くなってから、それまで一度も顔を出していなかった人です。
家に来た親戚は、にこやかに挨拶をしました。
「急にごめんなさいね。まだ片づけ、大変でしょう?」
「ありがとうございます。台所がまだ全然片づいてなくて…」
私がそう答えると、親戚は「そうなのね」とうなずきました。
ところが、その人は台所へは向かわず、まっすぐ和室に入っていったのです。
そして、伯母が使っていたタンスの前で立ち止まりました。
「ああ、このタンスね」
そう言いながら引き出しを眺めると、突然、三段目を指さしました。
「三段目の奥、まだ残ってるんじゃない?」
私は一瞬、何のことか分かりませんでした。
従兄弟も不思議そうな顔をしていましたが、言われたとおり三段目の引き出しを開けました。
そして奥に手を伸ばすと、そこからまた、厚みのある封筒が出てきたのです。
「……え?」
従兄弟は封筒を持ったまま、親戚の顔を見ました。
「どうして、ここにあるって知ってるんですか?」
親戚は特に驚いた様子もなく、さらりと答えました。
「昔ね、あの人から聞いたのよ」
私はその言葉を聞いて、背筋が冷たくなりました。
伯母は確かに、誰にも言っていないと話していたはずです。
もちろん、そのあと誰かに話した可能性はあります。それでも、親戚が迷わず引き出しの場所を言い当てたことが、どうしても引っかかりました。
すると親戚は、今度はタンスの一番下の段に目を向けました。
「一番下の段は、もう見た?」
その言葉を聞いた従兄弟は、少し黙ったあと、静かに答えました。
「……今日はもう遅いので、ここまでにします」
「あら、そう?」
「わざわざ来ていただいて、ありがとうございました」
従兄弟はそれ以上タンスを開けず、親戚を玄関まで送りました。
その日のことがあってから、私はあの親戚のことが気になって仕方ありませんでした。
次の週、家の鍵は新しいものに替えられました。それ以来、あの親戚とは顔を合わせていません。
結局、伯母が本当に誰にも話していなかったのか、親戚がどこまで知っていたのかは分からないままです。
一番下の段についても、従兄弟にはまだ聞けていません。
ただ、あの親戚がタンスの前で口にした「まだ残ってるんじゃない?」という言葉が、今でも忘れられません。
あの人は、何がどこにあるのか、どこまで知っていたのでしょうか。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














