「今日も仕事で遅くなる」嘘を重ねスロットに通い続けた元彼→100万円超の借金で頼った母親の返答とは
郵便受けに増え続けた封筒と、電卓の数字
始まりは、玄関先の郵便受けでした。当時同棲していた彼が出かけたあと、郵便を取りに行くのが私の朝の習慣だったのです。
ある時期から、見たことのない封筒が混じり始めました。
差出人はすべて消費者金融。月ごとに会社が違うものが増え、両手では足りなくなっていきました。
(まさかとは思うけど)ためらいながらいくつかを開けて、私は息をのみます。
合計の金額を電卓で打ち込んだ瞬間、画面に出てきたのは100万円をゆうに超える数字。
心臓が、ぎゅっと縮む音が聞こえた気がしました。
朝はきちんとスーツに着替えて、判で押したように家を出ていく彼。
「今日も仕事で遅くなる」
そう言って夜遅く帰ってきては、軽く笑ってみせる人。
その姿と、机の上の数字が、どうしても結びつきませんでした。
その夜、私は明細書を全部テーブルに並べて、彼の帰りを待ちました。
玄関で固まった彼に、私は短く尋ねます。
彼は黙ったままスーツのジャケットを脱ぎ、観念したように腰を下ろしました。
仕事に行っていた、という朝の言葉のうち本当だった日がどれほど少ないか。
スロットの店に座り続けていた日々が、どれほど続いていたか。本人の口から出てくる事実に、足元の床が抜けていく感覚がありました。
彼の母親に頼った夜と、目が覚めた一言
このまま二人で抱え込んでいい話じゃない。私はしばらく考えた末に、何度か顔を合わせていた彼の母親に電話を入れました。母親なら、せめて一緒に頭を冷やしてくれるはずだと信じていたのです。
「実は、息子さんのことでお話したいことが」
嘘を重ねてスロットに通っていたこと。借金が100万円をはるかに超えていたこと。私はできるだけ感情を抑えて、事実だけを順番に伝えていきました。
受話器の向こうから返ってきたのは、長い沈黙のあと、思いもよらない言葉でした。
「彼女なんだったら一緒に返してあげるぐらいの支える気持ちがなきゃダメ」
耳の奥で、その言葉だけがゆっくりと反響しました。
息子への叱責でも、私への気遣いでもなく、まず私の覚悟を問う一言。揺れ続けていた天秤の針が、ぴたりと一方に止まりました。
「ありがとうございます。でも、そういうお考えなら無理です」
そう告げて、私は通話を切りました。
翌朝、彼に決断を伝えて、その日のうちに荷物をまとめて家を出ます。引き止める言葉も、ほとんど耳に入りませんでした。
玄関を出た瞬間、なぜか視界がやけに澄んで見えたのを今でも覚えています。
(子が子なら、親も親なんだな)
長く付き合った相手の本当の姿と、その家族の考え方を早い段階で知れたのは、あの一言のおかげでした。今でも本気でそう思えます。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














