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2026.05.26(Tue)

「これは10円高い」付き合った時は優しかった彼。だが、徐々に見えてきた彼の金銭感覚についていけなくなった

「これは10円高い」付き合った時は優しかった彼。だが、徐々に見えてきた彼の金銭感覚についていけなくなった

値札に目を落とす横顔が増えてきた頃

外食の席で、彼がメニューを開いたまま動かない時間が長くなっていた。

最初の数ヶ月は迷わず私の好みを優先してくれていたのに、最近は別のものを指差してくる。

「こっちの方が500円安いよね」

知人の紹介で出会った年上の彼は、付き合い始めの頃はとても丁寧な人だった。

駅まで毎回迎えに来てくれて、付き合い記念日には花束を抱えて現れた。誕生日プレゼントも前々から用意してくれていた。

穏やかな時間に、心からほっとしていたのです。

けれど季節が一周する頃、その丁寧さに別の質感が混ざり始めた。スーパーの棚の前で、商品の値段を声に出して比べるようになったのです。

「これは10円高い」

「同じ容量なのに無駄」

独り言のような言葉が増えていきました。

買い物の途中で、商品を手に取っては戻すのを何度も繰り返すようになり、レジに並ぶ前に必ず合計金額を頭の中で計算しているらしかった。

最初のうちは、堅実で家計に強い人なんだ、と前向きに捉えようとしていた。けれどデートの会話の半分以上が値段の話になってきた頃、私はだんだん相槌を打つのもしんどくなっていきました。

差し出された一枚の紙に、絶句した夜

違和感の正体がわかったのは、ある夜の食卓だった。彼はかばんから几帳面に折りたたまれた紙を取り出して、テーブルに広げてみせた。

「今までかかった費用、全部書き出してきたから」

日付ごとに項目と金額が並んでいる。迎えに来てくれた日のガソリン代、記念日の花束、誕生日のプレゼント、外食の支払い。すべて細かく記録されていて、最後に総額まで添えられていた。

私はとっさに言葉が出なかったのでした。受けてきた気遣いの一つひとつが、目の前で値段に置き換わっていく。

胸の奥が冷たくなる感覚を、今でも覚えている。

(この人は、私に何を確認させたかったんだろう)

感謝してほしいのか、これからは折半にしたいのか、それとも返してほしいのか。意図を尋ねる気力すら湧かなかった。

受け取ってきたものの一つひとつが、紙の上で他人行儀な数字に置き換わっていく感覚だけが残った。

その夜は当たり障りのない返事だけをして、早めに切り上げた。家に帰ってから、自分の中で何かがすっかり萎んでしまったのに気がついた。

翌日から私は連絡を返すのをやめた。彼からの着信も次第に減っていき、関係はそのまま途切れた。優しかった人なのに、最後に残ったのは値段の並んだ紙の感触だけ。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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