夫「この30万、説明してくれ」生活費の口座から消えた30万。妻の言い訳に言葉も出なかった
パート代の範囲なら、と
妻がアイドルの推し活を始めたのは、数年前のことだ。
遠征に出かけ、グッズを買い込む。最初のうちは、自分のパート代でやっている分には、と私も黙認していた。
「これくらい、息抜きでしょ。あなたには分からないだろうけど」
その言葉も、趣味なら仕方ないと受け流していた。
けれどある日、共有の生活費口座を見て、私は言葉を失った。30万円が、相談もなく消えていたのだ。
「この30万、説明してくれ」
「後で戻すつもりだったの!アイドルのグッズは今しか売ってないの!」
「なんでそんなに怒るの?」
妻にはまるで悪びれた様子がなかった。それどころか、私を責め始める。
「男のくせに、器が小さいわよ」
金銭感覚が完全に麻痺している。背筋が寒くなった。
感情ではなく、制度で
ここで声を荒げても、何も変わらない。私が守りたいのは、家計と子どもの生活だった。
だから感情を脇に置き、翌週から淡々と動いた。
銀行口座の通帳と印鑑をすべて自分の管理に移し、妻名義の家族カードを解約する。
突然「推し」の決済ができなくなった妻は、血相を変えて私に向かってきた。
「カードが止まってるんだけど。私のこと、信用できないわけ!?」
私は何も言わず、無断引き出しの履歴をすべて紙に印刷して、妻の前に並べた。
「信頼を裏切ったのは、君だ!」
紙を見た瞬間、妻の表情が固まった。
あれほどの剣幕が、嘘のように引いていく。
「…これ、印刷してたの」
そこから先、言葉が続かなかった。
何か言いかけては黙り込み、最後はうつむいて、ただ沈黙していた。
「君を縛りたいわけじゃない。家計を守りたいだけだ」
「今後は毎月、決まった額の小遣い制だ。嫌なら、自分のパート代だけでやってくれ」
妻は反論一つできず、小さく頷くしかなかった。
取り戻した暮らし
それからというもの、生活費が勝手に減ることはなくなった。
妻は決められた小遣いの中で、今も好きな活動を続けている。
「今回のグッズ、ちゃんとお小遣いでやりくりしたよ」
わざわざ報告してくることもある。推し活を取り上げるつもりは、私には最初からなかった。ただ、家のお金に黙って手をつけることだけは、許せなかったのだ。
「お互い、これでよかったよ」
そう告げると、妻はばつが悪そうに目を伏せた。「器が小さい」と私をなじっていた頃の勢いは、もうどこにもない。
家計を立て直した私と、小遣いの中で折り合う妻。気づけば、二人の立場はすっかり入れ替わっていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














