「家事は全部俺の担当なんで」ママ友の前でドヤ顔する夫。だが、妻が見せた画面に顔面蒼白に
休日の公園で始まった、夫のいつものイクメン芝居
週末の公園は、子どもを遊ばせる親で賑わっていた。
私はベンチの近くで、何人かのママ友とおしゃべりをしていた。
そこへ、ふらりと夫が現れる。家では家事も育児も私に丸投げの人だ。
皿一枚洗わず、子どものおむつを替えたことすらほとんどない。それなのに外では、人が変わったように愛想がよくなる。
「うちは僕が率先して面倒見てるんで、妻はだいぶ楽してると思いますよ」
夫は胸を張った。
ママ友の何人かが、へえ、と感心の声をあげる。
「いいご主人ですねえ。羨ましい」
そんな声に気をよくしたのか、夫の口は止まらない。私はその様子を、黙って見ていた。調子に乗った夫が、さらに重ねる。
「家事は全部俺の担当なんで」
その一言で、私の中の何かが静かに切れた。今まで何度も飲み込んできた言葉が、もう抑えられなくなった。
何十件も並んだ「ごめん無理」のスタンプ
私はスマートフォンを取り出し、夫とのタスク共有グループを開いた。家事や育児を頼みたくて作ったのに、夫は一度も既読をつけたことがない。
「じゃあ、この依頼に一回も返事がないのは、どういうこと?」
画面をママ友のほうへ向ける。ずらりと並んでいたのは、私が送った数十件のお願いと、それを秒で断る「ごめん無理」のスタンプ、そして未読のまま沈んだメッセージだった。
ママ友たちの表情が、一瞬で固まった。
「あれ…さっき、家事は全部やってるって言ってなかった?」
誰かがぽつりとそう漏らした。冷ややかな視線が、いっせいに夫へ集まる。
夫の顔から血の気が引いていった。
「ちょ、ちょっと待って、これは事情があって……」
言い訳をしようとした口元が、わなわなと震えている。
けれど、その続きはついに出てこなかった。さっきまで胸を張っていた人とは思えないほど、声が小さくなっていく。
「…たまたま、忙しい時期で」
絞り出すように言ったその一言も、画面に並んだ未読の山の前ではあまりに弱々しかった。夫はうつむき、誰とも目を合わせられなくなった。
二度と外で見栄を張れなくなった夫
「事情は家で聞くから。今はいいよ」
私はそれだけ言って、スマートフォンをバッグに戻した。責め立てる必要なんてなかった。事実が、夫の代わりに全部しゃべってくれたから。
あの日以来、夫は公園でママ友の輪に近づこうとしなくなった。
遠くで会釈だけして、足早に去っていく。あれほど得意だった「いいパパ」の演技は、二度と見せなくなった。
家では、頼まなくても食器を下げ、休みの日には子どもと公園へ行くようになった。
完璧ではない。でも、見栄で固めた外面が一枚剥がれただけで、家の中の景色は確かに変わったのだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














