「あの人、消極的すぎ。役員向いてないよね」陰口ばかりのママ友。だが、役員の任期が終わると状況が一変
仲良しだったはずのママ
子どもが小さい頃から、よく一緒におしゃべりするママ友がいました。
年中の年、二人で園の保護者会役員を引き受けたのです。心強い相棒ができたつもりでした。
けれど、十人ほどの役員チャットが回り始めると、彼女の言葉が少しずつ尖っていきました。
「あの人、消極的すぎ。役員向いてないよね」
反応の遅い人や仕事の忙しい人を、すぐにやり玉にあげるのです。私の元にも、他のママへの不満が次々と届きました。
「ね、あの家っておかしいよね?」
同意を求められるたび、私はあいまいに笑ってやり過ごしました。会議の空気も、回を重ねるごとにぎくしゃくしていきました。
嫌味と陰口の日々
二学期の講演会で、私が役員代表の司会を任されました。終わったあと、保護者の方々が口々に褒めてくれたのです。
「司会、すごく上手だったよ」
嬉しさよりも先に、彼女の冷たい視線が気になりました。その日から、態度が一変したのです。
会議で私が発言すると、決まってこう遮りました。
「それはおかしいですよね。私だったらちゃんとこうします」
さらに別のママには、わざと私に聞こえる声で言い放ちました。
「立候補しないとあの人に仕事取られるよ」
あからさまな陰口でした。
会議のたびに居心地が悪くなり、私は表情を作るのに必死でした。自分のやり方が悪いのかと、何度も自問しました。
それでも、与えられた役目だけは投げ出さずにこなし続けました。彼女と正面からぶつかっても、空気が悪くなるだけだと分かっていたからです。
任期後に変わった景色
任期を終えた頃、ほかのママたちとゆっくり話す時間ができました。当時の苦労をこぼし合ううち、一人がそっと口を開いたのです。
「あの人には、みんなずっと気を遣ってたよね」
「実は私も」
「私も、ほんとはしんどかった」
「正直、グループチャットが鳴るたびに身構えてた」
次々と同じ声が重なりました。気を張っていたのは、私だけではなかったのです。一人で抱えていた重さが、ようやく和らいでいきました。
その頃には、陰口を言っていた彼女の周りから、人が静かに離れていました。集まりの輪に、彼女の姿はもうありません。あれほど人を仕切っていたのに、声をかける人も、誘う人もいなくなっていたのです。
たまに園で見かけると、彼女のほうが先に目を逸らすようになりました。
「次はランチでもしようね」
気の合うママたちと笑い合える日々が戻ってきて、私はようやく肩の力を抜くことができました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














