「給料明細、見せてよ」非常識な質問をする女性。後日、更衣室での電話の内容に絶句
距離感のない女性
以前勤めていた製造の現場に、新しく派遣の女性が入ってきた。
私はその人に仕事を教える担当になった。
身なりは整っていて、大きな息子が二人いるという。
落ち着いた大人の女性に見えた。ところが口を開くと、印象は一変した。
「ねえ、体重は?」
初対面に近い相手に、いきなりそう尋ねてくる。私は言葉を失った。
「独身なの?家賃いくら?貯金どれくらいあるの?」
答えをはぐらかしても、質問は勢いを増すばかり。しまいには、こう言い出した。
「給料明細、見せてよ」
「そういうのは、ちょっと答えられないです」
やんわり断っても、彼女はどこ吹く風だった。
その間、手はまったく動いていない。仕事を覚えるより、私の素性を暴くことに夢中だった。
「あの人、他の人にもあんな感じなの?」同僚に確かめると、答えは意外なものだった。
「ううん。私たちには世間話くらいしかしてこないよ」
根掘り葉掘り聞かれているのは、どうやら私だけらしかった。
自分から出て行った人
気味の悪さが限界に近づいた頃、休憩中の更衣室で決定的な場面に出くわした。
彼女が派遣会社に電話をかけ、大声で待遇の不満をぶちまけていたのだ。
「これっぽっちの時給じゃ、やってられない」
着替え中の同僚たちが、いっせいに顔を見合わせた。
そこへ、長く勤めるパート仲間が割って入った。
「人の体重や給料を聞き回る暇があるなら、その手を動かしたら?」
彼女は口を開けたまま、絶句した。
「わ、私はただ、興味があっただけで」声が震えている。
「その興味が、みんなを気味悪がらせてるのよ」
更衣室にいた全員が、静かに同意の視線を送った。逃げ場を失った彼女は、真っ赤な顔でロッカーを閉め、足早に出て行った。
その日から、彼女に話しかける人は一人もいなくなった。
あれほど飛んできた質問も、ぱたりと止まった。
ほどなくして、彼女は時給の高い夜勤へと自ら移っていった。誰かに追い出されたわけではない。
居づらくなって、自分から離れていったのだ。
「自分から手を挙げて、まるで逃げるみたいにね」その様子を、パート仲間が呆れ気味に教えてくれた。
だが夜勤でも詮索の癖は直らなかったらしく、そこでも浮いてしまったと後で聞いた。結局、ひと月と経たずに彼女は職場を去った。
あんなに他人の内側を暴きたがった人が、自分の振る舞いひとつで居場所を失っていく。教える立場だった私は、最後まで毅然と見送った。小さくなった後ろ姿に、もう気味の悪さは感じなかった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














