「兄貴に貸した金、遺産から返してくれよ」法事の席で突然お金を要求した叔父。だが、義母が静かに返した一言とは
法事が終わるなり始まったお金の話
義父の三回忌で、親戚が集まった日のことです。
読経と焼香を終え、ようやく少し空気が和らいだころ、夫の叔父が夫を廊下へ呼び出しました。
叔父は昔からお金にルーズなところがあり、義父とも何度か金銭のやり取りがあったと聞いていました。
私は台所からお茶を運んでいる途中、二人の話し声が耳に入りました。
「なあ、兄貴に貸してた金があるんだよ」
叔父は周囲を気にしながら、小さな声で夫に話しかけていました。
「貸していたお金ですか?」
「そうだよ。昔、何度か立て替えてやったんだ。もう本人はいないんだから、遺産から返してくれてもいいだろ」
夫は戸惑った表情を浮かべました。
「そんな話、父から一度も聞いたことがありません」
「兄貴はいちいち家族に話さなかったんだよ。細かい金額までは覚えてないけど、結構な額だったはずだ」
金額も時期もはっきりしないまま、叔父は「少しくらい渡してくれてもいいだろ」と繰り返します。
義父を偲ぶために集まった日に、突然始まったお金の話。私は何とも言えない気持ちになりました。
義母が静かに返した一言
すると、座敷から義母が出てきました。
「何の話をしているの?」
叔父は一瞬言葉に詰まりましたが、すぐに同じ説明を始めました。
「昔、兄貴に貸してた金があっただろ。それを返してもらおうと思ってな」
義母は叔父の話を最後まで聞くと、静かに言いました。
「本当に貸したお金なら、いつ、いくら貸したのか分かるものを見せてください」
叔父の表情が変わりました。
「いや、そんな昔のもの残ってないよ」
「では、今日はお金を渡せません」
義母の声は穏やかでした。
「それに今日は、お父さんを偲ぶためにみんなが集まっている日です。お金の話をする日ではありません」
近くにいた親戚たちも、そのやり取りに気づいていました。
叔父は周囲を見回し、「ちょっと聞いてみただけだよ」と気まずそうに笑いました。
その後はお金の話をすることなく、会食が終わると早々に帰っていきました。
叔父を見送ったあと、夫が小さくため息をつきます。
「父さんの法事で、あんな話をするとは思わなかった」
義母は少し寂しそうな顔をしながらも、はっきりと言いました。
「本当に必要な話なら、別の日にきちんとすればいいのよ」
その言葉に、私も納得しました。
お金の問題は大切だからこそ、曖昧なままその場の雰囲気で決めるものではありません。法事の日にまで突然お金を求めてきた叔父の姿は、今でも忘れられません。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














