「こちらは人気の形ですよ」何度も声をかけてくる従業員。だが、私が伝えた本音とは
一人でゆっくり選びたかった
私は昔から、服を買うときは店内をゆっくり見て回るタイプです。
その日も少し良いジャケットを探そうと、百貨店の紳士服売場へ立ち寄りました。
特に欲しい形や色を決めていたわけではなく、まずはいろいろ見比べてみるつもりでした。
売場に入ってしばらくすると、店員さんが声をかけてきました。
「ジャケットをお探しですか。新しく入ったものもございますよ」
丁寧な接客でしたし、最初は親切に案内してくれているのだと思いました。
ただ、私はまず自分の目で見たかったので、「ありがとうございます。少し自分で見てみます」と伝えました。
店員さんも「かしこまりました」と離れてくれたため、そのまま棚を見始めました。
何度も続いた声かけ
ところが、数分すると再び同じ店員さんが近づいてきました。
「こちらは人気の形ですよ」
一着を勧められたので軽く確認し、もう一度「もう少し自分で見てから決めたいんです」と伝えました。
それでも、その後も別の棚へ移るたびに、「こちらのお色はいかがですか」「サイズでしたらお出しできますよ」と声をかけられます。
おそらく店員さんとしては、何か手伝えることがないか気にしてくれていたのでしょう。
売場もそれほど混んでおらず、私が商品を何度も手に取っていたため、購入を迷っているように見えたのかもしれません。
悪気がないことは分かっていました。
ただ、私は声をかけられるたびに返事をしなければならず、だんだん商品を見ることよりも接客のほうが気になるようになってしまいました。
最後にはっきり伝えた
三度目くらいに商品を勧められたところで、私は少し迷ったあと、店員さんにこう伝えました。
「すみません。必要なときはこちらから声をかけますので、それまでは一人で見させてもらえますか」
すると店員さんは少し驚いた様子を見せましたが、すぐに頭を下げました。
「失礼いたしました。どうぞごゆっくりご覧ください」
それからは少し離れた場所で待っていてくれ、こちらから尋ねるまでは声をかけてきませんでした。
私はようやく落ち着いて何着かを比べ、その中から気に入ったジャケットを一着選びました。
会計の際には、その店員さんにサイズについて相談し、最後まで丁寧に対応してもらいました。
親切な接客でも、人によって心地よい距離感は違うものです。こちらも我慢して不機嫌になる前に、希望をはっきり伝えることが大切なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた60代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














