「明るく送りたかった」通夜に明るい服で現れた親戚。だが、私が最後まで戸惑ってしまった理由
黒い服の中で目立っていた二人
夫の親族の通夜に、夫とともに参列したときのことです。
急な知らせだったこともあり、私たちも仕事の予定を調整しながら、なんとか時間に間に合うよう斎場へ向かいました。
会場に着くと、ほとんどの親族が黒や濃紺の落ち着いた服装をしています。
そんな中、少し離れたところに、明るい色の服を着た夫のおじとおばがいることに気づきました。
おじは薄いグレーのジャケット、おばは白に近いベージュ色です。派手な服ではありませんでしたが、黒い服が並ぶ中では、どうしても目に入りました。
あとで夫が聞いたところ、二人は「通夜は平服でもいいと聞いたことがあったから、普段より少しきちんとした服なら大丈夫だと思った」そうです。
悪気があって選んだ服ではなかったと知り、私も少し納得しました。
ただ、それでも周囲から浮いて見えていたのは確かでした。
「暗くしすぎなくてもいいだろう」
さらに私が戸惑ったのは、二人の話し声でした。
受付を済ませたあと、久しぶりに会った親戚を見つけると、おじは普段と変わらない調子で話しかけ始めました。
「こんなときにしか、みんな集まらないからなあ」
そう言って昔の話を始め、時折笑い声まで聞こえてきます。
どうやらおじには、「故人はにぎやかなことが好きだったから、みんなで暗い顔ばかりしているのも違う」という考えがあったようでした。
気持ちは分からなくもありません。
ただ、まだ通夜が始まる前とはいえ、静かに座っている人も多い場所です。
周囲から何度か視線が向けられていることに、二人は気づいていないようでした。
やがて近くにいた年長の親戚が、おじにそっと声をかけました。
「話すのはいいけど、もう少し声を落とそう。静かに待っている人もいるから」
おじは一瞬きょとんとしたあと、「ああ、そうか」と答え、それからは声を抑えるようになりました。
悪気がなくても、場に合うかは別だった
通夜そのものが始まると、二人も静かに手を合わせていました。
最後まで騒ぎ続けたわけでも、誰かと揉めたわけでもありません。
それでも私は、あの日の二人の姿が妙に印象に残っています。
「平服でいいと思った」「故人らしく、明るく送りたかった」。それぞれに理由があったことは分かります。
けれど、自分では問題ないと思っている振る舞いでも、その場にいるほかの人にとっては落ち着かないものになることがあるのでしょう。
冠婚葬祭のように、多くの人が同じ場所に集まる場では、自分の考えだけでなく、周囲がどう受け取るかまで考えることも大切なのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














