「ご祝儀はいくら包んだんだ」披露宴で祝儀の額を聞き始めた叔父。だが、親族の一言で黙り込んだ瞬間
親族席で始まったお金の話
昨年の秋、私は従兄の結婚披露宴に出席しました。
会場はホテルの宴会場で、親族は新郎側と新婦側に分かれ、いくつかの円卓に座っていました。私のテーブルには両親や叔父、いとこなど、新郎側の親族が八人ほど集まっていました。
新郎新婦の入場や主賓の挨拶が終わり、乾杯をしてからしばらくたった頃のことです。
料理を食べながら近況を話していると、叔父が向かい側に座っていた若い親戚に話しかけました。
「ところで、ご祝儀はいくら包んだんだ」
本人は何げなく聞いたつもりだったのかもしれません。しかし、周囲の会話が途切れたタイミングだったため、その声は同じテーブルの全員に聞こえていました。
尋ねられた親戚は困ったように笑い、「まあ、そのあたりは普通に」と曖昧に答えました。
ところが、叔父は引き下がりませんでした。
「普通っていくらだ。最近は少なく包む人もいるらしいからな」
同じテーブルにいた親族たちは、料理に視線を落としたり、別の話題を振ろうとしたりしていました。
祝いの席で、ご祝儀の金額を本人に尋ねるのは、さすがに気まずいものがあります。
私も何か言ったほうがよいのではと思いましたが、年上の叔父を前にして、すぐには口を挟めませんでした。
隣に座っていた親族の一言
叔父がさらに話を続けようとしたとき、隣に座っていた叔母が小さな声で止めました。
「今日はその話、やめよう」
叔父は「別に悪いことを聞いたわけじゃないだろ」と返しましたが、叔母は落ち着いた口調のまま続けました。
「金額はそれぞれが考えて包んでいるんだから、ここで聞くことじゃないよ。今日は二人をお祝いする日でしょう」
叔母は叔父を責めるような言い方はせず、それ以上話が広がらないように、すぐ別の話題を振りました。
「そういえば、次は二人の紹介映像が流れるみたいよ」
ちょうど会場の照明が少し暗くなり、司会者から映像上映の案内がありました。叔父もそれ以上は何も言わず、前方のスクリーンへ顔を向けました。
その後、披露宴は予定どおり進みました。叔父が再びご祝儀の話を持ち出すこともなく、先ほど尋ねられた親戚も、少しすると普段どおりに会話へ加わっていました。
帰り際、叔母がその親戚に「さっきはごめんね」と声をかけている姿を見かけました。親戚は「大丈夫です」と笑っていましたが、突然金額を聞かれ、困ったことには変わりなかったと思います。
祝いの席では、親しい間柄であっても踏み込まないほうがよい話があります。叔母が大ごとにせず、その場で静かに話題を変えてくれたことで、披露宴の空気を乱さずに済んだ出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














