tend Editorial Team

2026.08.19(Wed)

「若いうちのほうがいいっていうからね」義叔父の無神経な質問。だが、義母の一言に救われた瞬間

「若いうちのほうがいいっていうからね」義叔父の無神経な質問。だが、義母の一言に救われた瞬間

お酒が回った正月の食卓で、義叔父が私に向き直った

三年前の正月、義実家の座敷には親戚が10人ほど集まっていた。

嫁いでまだ日が浅かった私は、この時期になると数日前からそわそわしてしまう。

それでもその日は、お酒が回るにつれて笑い声が続いて、思っていたよりずっと過ごしやすい席になっていた。

義母は座卓につかず、台所と座敷を何度も行き来していた。手伝いに立とうとすると、そのたびに手で制される。

「いいのよ。今日は座ってて」

義母は普段から多くを話す人ではない。誰かの話に静かにうなずいて、頃合いを見て湯呑みを下げる。そういう人だと思っていた。

盃を重ねていた義叔父が私に向き直ったのは、話題がよその家の子どもの入学式に移ったあとだった。

「そういえば、子どものことはまだ考えてないの?」

まわりの笑い声が、少しだけ小さくなった。

私はとっさに笑おうとした。ここは笑って流すところだと、頭のどこかが勝手に判断していた。

「まあ、こういうことは若いうちのほうがいいっていうからね」

その言葉のあと、座敷が妙に静かになった。膝の上の手が冷たくなっていくのが分かった。

本人に悪気はないのかもしれない。それでも、みんなの前で聞かれたくないことまで踏み込まれたようで、私はどう返せばいいのか分からなかった。

きっと誰かが話題を変えて、そのまま終わるのだろうと思っていた。

台所にいたはずの義母が、私の後ろを通り過ぎた

廊下から、お盆を持った義母が入ってきた。座敷の静けさを見て、何かを察したのだと思う。

義母はお盆を畳に置くと、私の後ろを通り過ぎて、義叔父の正面で足を止めた。

「その話は、もうそのくらいにしましょう。本人たちのことなんだから」

大きな声ではなかった。それでも、座敷の端まで届いていた。義母がこんなふうにはっきり言うところを、私はそれまで一度も見たことがなかった。

「今日はみんなで楽しく過ごしましょうよ」

義叔父は少し驚いたような顔をしてから、「そんな深い意味で言ったんじゃないよ」と小さく言い、盃を置いた。

別の親戚が煮しめの鉢を回すと、止まっていた会話も少しずつ戻っていった。

義母は何事もなかったように立ち上がって、私の前に取り皿を置いた。

「ほら、食べて。冷めちゃうから」

私はうなずくのが精いっぱいで、うまく声が出なかった。

帰りの車の中で、私はその話を夫にしようとした。けれど、順番に説明することができなかった。

「みんなが黙ったとき、お義母さんが止めてくれて…」

そこまで言って、言葉に詰まった。夫はしばらく黙ってから、「母さんらしいな」とだけ言った。

その夜も、なかなか寝つけなかった。

言われたことを思い出すと、今でも少し複雑な気持ちになる。

それでも、あの席で最初に動いたのが義母だったことを思い出すたびに、胸の奥が少しだけ温かくなる。私はあの一言に救われたのだと思う。

※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.10(Thu)

「ちょっと音、大きくない?」新幹線の指定席で15分動画を流した男性。だが、乗務員に注意された結果
tend Editorial Team

NEW 2026.09.10(Thu)

「ママ、あの子足ついてないよ」ホテルのプールで遊ぶ子どもたち。だが、大人が私しかいないことに気づいた瞬間
tend Editorial Team

NEW 2026.09.10(Thu)

「うちのノブにかかっていたんですけど」名字を訂正しても間違える隣人。その後、通学路でも見かけるようになった
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.07.18(Sat)

「母さんの前ではいい息子でいたい」と私をないがしろにする夫。だが、実家での質問に言葉を失った
tend Editorial Team

2026.04.09(Thu)

高市総理が明かす公邸での私生活。家事と仕事の両立で睡眠不足も、秘書官やSPへの配慮から「仕事は持ち帰り」を選択
tend Editorial Team

2026.08.08(Sat)

「最近、全然会わなかったよね」授業参観で偶然再会した保護者たち。だが、授業中の信じられない行動に絶句
tend Editorial Team