「お菓子はポストに、入れておきました」部屋番号を教えていない相手。だが、車の中で告げられた一言に絶句
送ってもらうのは、いつもマンションの前まで
職場に出入りしていた業者の男性とは、歳が近いこともあり、顔を合わせるうちに話すようになりました。
休みが合えば食事に行くこともありましたが、それほど深い付き合いではありません。
出かけた帰りには、何度か車で自宅まで送ってもらいました。
「エントランスの前で大丈夫です」
私はいつもマンションの前で降りていました。
彼が建物の中まで入ってきたことはなく、何階に住んでいるのかも、部屋番号も伝えたことはありません。
そのくらいの距離が、私にはちょうどよかったのです。
ある日も送ってもらう車の中で、彼の旅行の話を聞いていました。
すると信号待ちのとき、思い出したように言われました。
「お菓子はポストに、入れておきました」
教えていない部屋番号を知っていた
最初は意味が分からず、「ポスト?」と聞き返しました。
「どうして、私の部屋が分かったんですか」
彼は特に気にした様子もなく答えました。
「あのマンション、仕事で出入りしてるんですよ」
私の住むマンションは、たまたま彼が仕事で訪れる場所のひとつだったそうです。その仕事の中で、私の部屋番号を知る機会があったらしく、旅行のお土産を驚かせるつもりで入れておいたと言います。
「サプライズにしようと思って」
悪気がないことは伝わってきました。それでも私は、すぐに「ありがとう」と返すことができませんでした。
車を降りて集合ポストを開けると、中にはお菓子の入った小さな袋がありました。
ただの親切だったのかもしれません。それでも、教えていないはずの部屋番号を相手が知っていたことが、どうしても頭から離れませんでした。
それまで安心していた距離感が、一度に分からなくなった出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














