「最寄り駅はどこ、返信も遅いよね」まだ一度も会っていない相手との、やりとりを終わらせた理由
会う前から、僕の一日を聞かれるようになった
「最寄り駅はどこ、返信も遅いよね」
ネットで知り合ってしばらくやりとりをしていた相手から、そんな一文が届いた。
まだ一度も会ったことはない。会う日を決めようという話も出ていなかった。
最初のうちは、ただ会話を広げようとしているのだと思っていた。
「何時ごろの電車に乗ってるの?」
「その駅なら、家も近いの?」
ひとつ答えると、その先をもうひとつ聞かれる。住んでいる場所を詳しく伝えるつもりはなかったので、僕は少しずつ答えをぼかすようになった。
返信も、すぐには返さなくなった。仕事中だったり、何と答えようか迷ったりして、そのまま数時間たつこともあった。
すると今度は、返信の間隔について聞かれるようになった。
「読んでるのに返さないのは、どうして?」
「何時ごろなら返せそう?」
言葉遣いそのものは穏やかだった。それでも、まだ会ったこともない相手に、どこから電車に乗るのか、いつ連絡を返せるのかまで聞かれることが、だんだん負担になっていった。
端末が光るたびに、「今度は何を聞かれるんだろう」と身構えるようになった。会話をしているというより、自分の一日を報告しているような気がしていた。
これ以上は続けないと、自分で決めた
もう少し聞き方を控えてほしいと伝えることも考えた。
けれど、やりとりを続けながら、そのたびに「これは答えたくない」「ここまでは聞かないでほしい」と説明していくこと自体が、僕にはもう負担だった。
そこで、関係を続けることをやめると決めた。
「これ以上、予定や行動範囲のことは答えません。やりとりも今日で終わりにします」
送ったあと、相手からはすぐに返事が来た。
「気を悪くさせたならごめんなさい。もう少しだけ話せませんか」
そのあとも何通かメッセージは届いたが、僕は返さなかった。しばらくすると間隔が空き、やがて連絡は来なくなった。
端末を伏せて机に置いたとき、自分でも驚くほど気持ちが軽くなった。
次の朝、僕はいつもどおり家を出た。どの電車に乗るのかも、どこで降りるのかも、誰かに報告する必要はない。
相手に悪気があったのかどうかは、今でも分からない。ただ、相手にとって普通の距離感でも、自分には苦しく感じることがある。そのときは、無理に付き合い続けなくてもいいのだと思った。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














