
倒れた高齢者を介抱した少女たちが加害者に?中国で波紋を広げる高額賠償請求の行方
道を走っていて困っている人がいたら手を差し伸べる。そんな当たり前の善意が、まさか人生を揺るがすような巨額の賠償請求につながるとは、誰が予想できたでしょうか。中国の福建省莆田市で発生したある交通事故を巡り、現在インターネット上で激しい論争が巻き起こっています。発端は昨年3月、電動自転車に乗っていた女子中学生2人が、目の前で転倒した高齢女性を助けたことでした。
事故の状況を整理すると、自転車に乗っていた高齢女性が曲がり角でバランスを崩して転倒。それを見た中学生たちは、すぐさま自転車を止めて女性を介抱し、倒れた自転車を起こすという献身的な行動に出ました。しかし、救いの手を差し伸べられたはずの女性から返ってきたのは、感謝の言葉ではなく「あなたたちのせいで転んだ」という耳を疑うような主張だったのです。
女性側の言い分によれば、前方から来た車を避けようとした際、角から現れた中学生たちの電動自転車に驚いて転倒したとのこと。驚くべきことに、現地の交通警察も防犯カメラの映像を確認した上で、中学生側にも一部の過失があるとの判断を下しました。これを盾に女性側は、治療費などとして約22万元、日本円にして約500万円というあまりに高額な損害賠償を求める訴訟に踏み切ったのです。
この理不尽とも思える展開に、SNSでは怒りと困惑の声が渦巻いています。
『助けた側が地獄を見るなんて、これでは誰も困っている人を助けられなくなる』
『500万円という金額も異常だし、警察の判断も納得がいかない』
『善意を仇で返すような行為が許されていいはずがない』
中学生の保護者は、愛娘が善意で行った行為によって深い心の傷を負い、トラウマに苦しんでいる現状を訴えました。法律の専門家は、中学生側が右側通行を守っていなかった点や交差点での減速が不十分だった可能性を指摘していますが、そもそも接触すらしていない状況での責任追及には、多くの人が首をかしげています。
幸いなことに、この騒動が大きく報じられ批判が集中したためか、2月26日に予定されていた裁判を前に女性側は訴訟を取り下げました。事態は一応の収束を見せましたが、この事件が社会に投げかけた問いは重く残ります。
ルールを金科玉条のごとく守ることも大切ですが、それ以上に人間としての徳育や、善意が守られる社会のあり方について、私たちは今一度考え直す必要があるのかもしれません。














