「あなたってマイペースよね」私だけ「あなた」呼びしてくる義母。だが、夫に相談した時の一言に思わず絶句
義実家からの帰り道、車内で切り出した小さな違和感
義実家での食事会の帰り道。
助手席に座った私は、シートベルトを引きながら、心の中でもう一度さっきの場面を反芻していた。
食卓で義母が、笑いながらこう言ったのだ。
「あなたってマイペースよね」
声色は穏やかで、悪意はない。きっと褒めるつもりだったのだろうとも思う。
それでも結婚して数年、夫のことは呼び捨て、義妹のことは幼い頃のあだ名で呼ぶ義母が、私のことだけ「あなた」と呼び続けていることに、その夜ふいに気づいてしまった。
家を出て、車が住宅街を抜けたあたりで、私はこわごわ口を開いた。
「お義母さんの「あなた」って呼び方、なんかずっと他人行儀な気がして…」
夫の返事が、もう一つの距離をつくった
夫は信号待ちでブレーキを踏みながら、軽く笑った。
「お前の気にしすぎだろ」
たった一言。
それきり、ハンドルを握り直してまた前に視線を戻す。私の中で、ふくらみかけていた言葉が行き場を失った。
怒鳴ったわけでも、否定されたわけでもない。ただ、私が抱えてきたものを、夫はそのまま流れに乗せて遠くに押しやっただけ。
(責めてほしいわけじゃない。ただ、一緒に「うん、ちょっと寂しいよね」って思ってほしかっただけなのに)
窓の外に流れる街灯を見つめながら、私は「そうかもね」とだけ返す。
本当はぜんぜん納得していない。けれど、これ以上掘り下げたら「面倒な嫁」と思われそうで、自分から蓋をしてしまう。
家に着いて、子どもをお風呂に入れて、洗濯機を回す。その全部を済ませた後の静まったリビングで、私はソファに沈み込みながら気づいた。
義母の「あなた」は、十年経っても消えないかもしれない。
それを「気にしすぎ」と片づけられた今夜の方が、たぶんずっと長く残る。
結婚して数年。夫の家族の中に、自分だけ一段下の段差で立っているような感覚を、いつから飲み込み始めたのかも、もう思い出せない。
義母の声色を否定したいわけでも、夫を責めたいわけでもない。ただ、ほんの少しだけ、こちら側に身を寄せてくれる言葉が欲しかった。それだけなのに、たった一言「お前の気にしすぎだろ」で扉が静かに閉まる。
口に出せなかった違和感が、コーヒーカップの底にたまる粉みたいに、静かに私の胸に沈んでいった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














