「写真と違うね」マッチングアプリで出会った男の非常識な一言。だが、我慢出来なかった私が席を立った瞬間
最初の挨拶で値踏みする目つき
土曜の夜のレストランの前で初めて会うその人を待っていました。
マッチングアプリでのやり取りは穏やかで、写真の印象も柔らかく、価値観も合いそうな気配のある相手でした。
期待半分、緊張半分で、約束の時刻ぴったりに現地に着いたのです。
男性はもうそこに立っていました。
私が会釈をしながら距離を詰めた瞬間、彼の視線がこちらの頭から靴の先まで、品定めをするようにすっと走ったのが分かります。
そして、開口一番に出てきた言葉がこれでした。
「写真と違うね」
冗談めかすでもなく、苦笑いするでもなく、ただ事実を告げる温度。
立ち止まった足が、一瞬だけ動かなくなりました。
けれどここで帰るのも大人げないと思い、私は表情だけ作って店の中へ案内されたのです。
席に着いてからも、彼の口から出てくるのは自分の話ばかり。年収の話、肩書きの話、人脈の話。私が話し始めても、すぐに彼自身の話で上書きされていきます。
メッセージのときの丁寧さは、影もありません。
当然のように告げられたルール
メイン料理が運ばれてきた頃、彼が当然のような顔でこちらを見据え、こう告げました。
「俺と付き合うなら、男友達は全部切ってね」
声色には提案や相談の余地が一切ありません。
お互いの距離を確かめ合う段階を全部すっ飛ばして、すでに付き合った先のルールを当然のように通達してくる声でした。
(この人、初対面でこれを言うんだ)
頭の芯がすっと冷たくなったのが分かります。まだ顔を合わせて1時間も経っていない夜の出来事でした。
男友達も、SNSの中身も、すべて相手の管理下に置く前提が、まるで常識のように語られている。
私の意思は、最初から計算に入っていません。
背中を、ぞわりとしたものが上っていきました。
私は静かにナプキンをテーブルに置き、まっすぐに彼の目を見て言いました。
「価値観が合わないので、失礼します」
立ち上がる私を、彼は驚いた表情のまま見送るしかありませんでした。
会計を済ませて、振り返らずに店を出ます。駅までの道は、ひざが震えるほどの怖さと、ようやく追いついてきた怒りで、足取りがどこかぎこちないままでした。
それでも、関係を深めて生活の一部になってしまう前に、本性に出会えたのは、本当に運がよかったのだと、いまの私は静かに思っています。
あのまま気づかずに付き合っていたら、SNSも友人関係も、自分の生活そのものを少しずつ譲り渡していたはずです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














