tend Editorial Team

2026.05.22(Fri)

「客離れが進みそう」「だったら、普通のビール買うよね」とネット上では厳しい声も。ビール減税の一方で発泡酒・チューハイは増税へ

「安さ」という命綱を揺さぶられる庶民と、恩恵に沸く層が織りなす「液体格差」の縮図

長引く物価高に喘ぐ日本社会において、一日の終わりに口にする一杯の缶ビールやチューハイは、多くの労働者にとって数少ない「ささやかな贅沢」であり、心の安らぎでした。

しかし今、国の税制改正という名のメスが、このささやかな愉しみの境界線を残酷に引き直そうとしています。

キリンビールが発表した10月の酒税改正に伴う価格改定は、まさにその象徴です。

主力ブランド「一番搾り」などのビールが値下げされる一方で、庶民の強い味方であった「淡麗グリーンラベル」などの発泡酒や、手軽に酔える「氷結」などの缶チューハイは一転して値上げとなることが決まりました。

 

今回の改正では、ビールが350ミリリットルあたり9.1円の減税となる一方、発泡酒や第3のビールは7.26円、缶チューハイは7円の増税となります。

これまで「少しでも安く抑えたい」と、涙ぐましい生活防衛策として発泡酒や第3のビールを手に取っていた層にとって、この「わずか数円」の差は決して小さくありません。

ビール類全体の価格差が縮まることで消費がビールへ回るという市場予測もありますが、そこには「ビールを買える層」と「値上げされた発泡酒にすら手が届かなくなる層」との、見えない壁が厳然と存在しています。

 

ネット上では、この二極化する現状をリアルに映し出す意見が並びました。

『一番搾り好きなので安くなるなら嬉しい。これは朗報!!!』

『だったら、普通のビール買うよね』

『発泡酒と第三のビール勢はちょっとダメージ大きそう』

『発泡酒は値上がりすると客離れが進みそうですね』

ビールが安くなる喜びの裏で、企業がこれまで血のにじむような企業努力とイノベーションで培ってきた「安くて美味しい代替品」の市場が、国の税率調整という外圧によって歪められていく構図は皮肉としか言いようがありません。

 

そもそも発泡酒や第3のビールは、高いビール税から逃れ、少しでも安く提供しようとメーカーが技術を極めた結晶でした。

しかし、人気が出れば狙い撃ちにするかのように増税されるサイクルを繰り返してきた歴史があります。

今回の改正もまた、企業の努力を帳消しにし、最終的には「安価に酔う権利」さえも奪いかねない冷徹なシステムの一端を示しています。

 

私たちは今、税制という国家のコントロールが、個人のささやかなライフスタイルや価値観にまでどのような影響を及ぼしているのか、立ち止まって考えるべきです。

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