「この子、歩くの遅いわねぇ」1歳前の長男を別の孫と比較した義母。10年義実家から足を消した嫁の本音
小さな一言が10年の距離を作った
長男が生まれてから、最初の1年はあっという間でした。
寝返り、ハイハイ、そしてつかまり立ち。
ひとつひとつのしぐさに、私は毎回小さな感動を覚えていたんです。
長男はわりと成長が早い方で、まだ歩き始めていない月齢から、ソファや低いテーブルの縁にしがみついて立ち上がろうとしていました。
我が子の頑張る姿を見ながら、ただ嬉しいと思っていました。
その頃、夫の実家に長男を連れて行ったときのこと。
義母は孫を抱きながら、夫のいとこの子の話を始めました。
あの子のときはこのくらいの月齢ですでに歩いていた、ほら、何ヶ月で何歩、と細かい数字まで添えて懐かしそうに語ったあと、私の方をちらりと見て言いました。
「この子、歩くの遅いわねぇ」
悪気のない比較の口ぶりでした。義母はにこにこ笑いながら、私の前で長男のことを「遅い側」として並べたんです。
心の中で、私は静かにつぶやきました。
「育てる側のことも考えてほしかった」
何も言い返さず、距離だけが広がった
義母に悪気がなかったのは、長年関わってきて分かっていました。
だからこそ、何も言い返せなかったんです。
その場で泣くわけにもいかず、長男をぎゅっと抱き直して、ただ笑顔だけ作って帰路につきました。
車に乗ってから、夫に「ちょっとあれは…」と漏らしましたが、それも一度きりでした。
夫が「うちの母さんは昔からそういう言い方なんだ」と申し訳なさそうに笑ったので、それ以上何も言えなかったんです。
義母を悪く言いたいわけじゃない。
ただ、リビングで言われたあの数秒だけが、ずっと頭から離れなくて。
次の帰省のとき、私は予定を入れて行きませんでした。
その次も、また次も。理由は毎回違いますが、本心はずっと同じでした。
気づけば10年以上、義実家の敷居をまたいでいません。
夫と子どもたちだけが時々顔を出し、私はいつも家で待っています。
義母を恨んでいるわけではないんです。
ただ、あの日のリビングで言われた一言が、今も胸の奥に残っているだけ。
長男はあの後しっかり歩き、走り、すっかり大きくなりました。
月齢で「遅い」と言われた赤ちゃんは、もうどこにもいません。
それでも、リビングのあの空気だけは、頭の中で何度でも再生されてしまうんです。
子どもの成長は、親自身のことよりずっと心にこたえます。育てる側の気持ちを、ほんの少しでいいから想像してくれていたら、そう思うたびに、静かなモヤモヤがこみ上げてくるのでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














