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2026.05.14(Thu)

抹茶30gが1.1万円に高騰。輸出1.2万トン突破も「国内の茶園はボロボロ」。抹茶高騰で進むよもぎ代替と、日本の買い負けという皮肉

外貨を稼ぐ「輸出の星」へと変貌した緑茶。その裏で進む国内市場の空洞化と文化の変質

かつて日本の茶の湯を象徴し、精神性の極みとされた「抹茶」が今、世界的な投機対象にも似た狂騒の渦中にあります。

ヘルシーでクールな「MATCHA」としてニューヨークやパリで市民権を得たその影で、私たちの足元では伝統的な茶文化が音を立てて崩れようとしています。

 

緑茶の輸出量は右肩上がりで年間1万2000トンを突破。その7割を占める粉末状の抹茶は、今や巨大なグローバルマーケットを支える主役となりました。

しかし、この活況は決して手放しで喜べるものではありません。

飲料大手・伊藤園が「過去20年で国内の生産量が3割減った」と危機感を露わにするように、国内の茶園は高齢化と後継者不足という「構造的な疲弊」に直面しています。

 

現場の歪みは、私たちが日常的に手にする「ペットボトルのお茶」にまで波及しています。

伊藤園は今年3月、原材料高騰を理由に最大25%もの大幅値上げに踏み切りました。

また、観光地・浅草の老舗茶専門店では、以前は5000円ほどだった30グラムの高級抹茶が、今や1万1880円という驚愕のプライスを提示しています。

海外の富裕層が高値で買うことで、日本国内の消費者が「買い負け」し、自国の文化を享受できなくなるという、あまりにも皮肉な構図が浮かび上がっています。

 

SNS上でも、この急激な変化に戸惑いと期待が混ざり合う声が上がっています。

『抹茶はヘルシーなイメージがあり人気が出ているのかもしれない。価格高騰のリスクはあるが、需要がないよりは良い。日本人が改めて抹茶の価値を見直す良い機会だ』

『抹茶だけじゃなくてほうじ茶ももっと推すべき。特定の品目に需要が集中しすぎると、結局供給が耐えきれなくなって、自分たちの首を絞めることになる』

『1缶1万円以上なんて、もう嗜好品を通り越して投資対象。日本のお茶が、日本人にとって手の届かない「遠い国の宝石」になっていくようで寂しい』

『抹茶の代役に「よもぎ」が注目されているというが、それはもはや別の文化。効率や安さを求めて伝統を代替品で済ませる姿勢には違和感がある』

 

苦境に立つ業界が「ネクスト抹茶」として、繁殖力の強い「よもぎ」に活路を見出そうとする動きは、いかにも現代的な合理的選択といえるでしょう。

低コストで鮮やかな緑色を再現でき、ノンカフェインという付加価値まで付いてくる。

しかし、本来「抹茶」が持っていた歴史的文脈や、茶農家が守り抜いてきた繊細な技術が、単なる「緑色の着色料・フレーバー」として消費され、他種植物に取って代わられていく現状は、文化の空洞化そのものではないでしょうか。

 

私たちは今、大きな矛盾の前に立たされています。

世界に誇るべき文化が外貨を稼ぐ一方で、その源流である国内の生産基盤はボロボロになり、庶民のティータイムからは「本物」が消えていく。

効率化と利益の追求は、時に守るべきはずのアイデンティティさえも食いつぶしてしまいます。

「MATCHA」が世界を席巻する今だからこそ、私たちは「便利で安い緑色の代替品」に満足するのではなく、一杯の茶に適正な対価を払い、自国の伝統を支えるという矜持を取り戻すべき時が来ているのかもしれません。

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