「もっと早く動いてよ!」お客様の前で私にキレた同僚。だが、休憩室での別の同僚の言葉で救われた
レジ列が伸びた午後、言葉が飛んできた
パート先で一緒に働いている同年代の女性は、普段は温和な人だ。
休憩室では軽い雑談もするし、仕事中も声をかけやすい。
ただ、繁忙時になると人が変わったように口調が鋭くなる傾向があった。
周りに当たるような言い方をすることが何度かあり、私はなるべく受け流していた。
忙しい時間帯は誰でもピリピリする、そういうものだと割り切っていた。
正直なところ、指摘の内容自体がまるきり見当外れというわけでもなく、言い方さえ違えばと思うだけで、腹に収めてきた。
ある日、昼過ぎのタイムセールでレジに長い行列ができた。
私は次々とお客さんをさばきながら、できるだけ丁寧に対応しようとしていた。そこへ隣から声が飛んできた。
「もっと早く動いてよ!」
列に並んでいたお客さんたちの前での発言だった。
言い返せなかった。笑顔を作って会計を続けながら、胸の中だけがモヤモヤと重くなっていった。
休憩室に入ってから、ようやく気持ちが崩れそうになった。
お客さんの前であんな言い方をされたことが、後になってじわじわと堪えてきた。
言い返せなかった自分が情けなかった。でも、レジが詰まっている最中に口論になる方がもっとまずいとも思っていた。
一番静かな人が、一番大事なことを言った
しばらくして、いつも黙々と仕事をこなしている別の同僚が入ってきた。
目立たない存在で、誰かに意見するような人ではなかった。その人が私の前に腰を下ろし、静かに言った。
「さっきのレジ、私も聞こえてたよ。あなたは何も悪くないから」
たった二文だったが、それで十分だった。誰かに見ていてもらえていたということが、じんと胸に染みた。
その後、その同僚は問題の同僚のそばへ行き、穏やかにこう伝えたらしい。
「言い方は気をつけた方がいいよ」
大げさな説教でも、責め立てる言葉でもない。
ただ、必要なことを、ちょうどいい分量で伝えた。問題の同僚は終業間際に私へ「ごめん、焦ってた」と一言告げてきた。
その謝罪を聞いた瞬間、沈んでいた気持ちがふっと軽くなった。
余計な一言を言わない人が、本当に必要な時だけ声を上げてくれた。職場にそんな人がいると知って、少し前より職場に来るのが苦ではなくなった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














