75歳副部長「それは総務部長の仕事だ!」3週間前に頼んだ回覧を逆ギレで突き返した男→ペーパーレス却下に絶句
挨拶回りの直後に背負わされた重い肩書
実家を離れて35年、両親の家を引き継ぐ形で生まれ育った町へ戻ってきた。引っ越しの段ボールがまだ廊下に積まれている時期に、町内会の名簿を抱えた住人が玄関に立った。
700世帯が加入する自治会で、構成員のほとんどが70歳以上。新住人の登場は珍しく、私の名前は早々に役員候補へ書き込まれていた。挨拶を返した記憶があるだけで、断る隙はなかった。
役員8人で分担を決める日、集会所の長机を囲んでいる顔ぶれの平均年齢は明らかに高かった。会計、広報、防災と読み上げられるたび、古参の面々は口を揃えた。
「パソコンが使えないから」
誇らしげにそう繰り返す表情に、議論の余地はなかった。残った最も負担の重い総務部長兼副会長を、新参の私が受け取る流れに自然と落ち着いた。
頼んだ回覧を引き受けてくれた副部長の笑顔
仕事を持つ私には、日中の訃報回覧依頼が特にこたえた。職場で接客中に何度もスマートフォンが震え、夜には住宅街を1軒ずつ回ることになる。同じ役員にメッセージで応援を頼んでも、既読がつくだけで返信は来なかった。
このままでは持たない。そう判断して、75歳の総務副部長を訪ね、至急回覧だけは引き継いでもらえないかと直接お願いした。
「いいよ、それくらい任せて」
柔らかい笑顔で受けてくれた瞬間、私は心底ほっとした。少なくとも訃報のたびに半休を取らなくていい。そう信じて自治会の予定表を書き直していた。
3週間後の定例会で見せた本性に絶句した夜
3週間後の役員定例会で、引き継ぎの進捗を確認した瞬間、副部長の顔色が一変した。机に置いていた湯呑みが小さく揺れた。
「それは総務部長の仕事だ!」
怒鳴り声が会議室に響き、周囲の役員が一斉に黙り込んだ。お願いをした事実そのものが、副部長の中で消えていた。引き受けた瞬間から忘れていたのか、最初から流すために頷いたのかは分からない。
その勢いに合わせて、私はもう一つ用意していた提案を口にした。デジタル回覧板への移行案だ。紙とインクを大量消費する現行運用を見直したかった。返ってきたのは「使えないから却下」の即答だった。意見を交換する場すら設けられず、議題は瞬時に流れた。
ペーパーレスが社会の常識になった時代に、コピー機の補充だけが業務として残り続ける町。35年ぶりに戻った実家の最初の春は、誰も決められない自治会の重さを背負ったまま静かに過ぎていった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、60代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














