「家事も育児も分担しよう」と言っていた夫が高熱の子供を放置。だが、様子を見に来た義母の一言で態度が一変
熱を出した子と、私だけ
その日、職場で携帯が鳴った。保育園からの呼び出しだった。子どもが高い熱を出したという。
私はすぐに早退し、病院へ連れて行った。
診察を待つ間も、子どもはぐったりと私にしがみついている。
「家事も育児も分担しよう」
共働きを決めたときの約束を、ふと思い出した。けれど呼び出しに走るのも、看病するのも、いつも私だった。
帰宅して、薬を飲ませ、寝かしつけ、洗い物を片づける。
そこへ夫が帰ってきた。開口一番、こう言った。
「今日のご飯は?」
「ごめん、今日は子どもが熱でね……」
「俺も仕事で疲れてる」
夫はそれだけ言って、ソファに腰を下ろしスマホをいじり始めた。
翌日も子どもの熱は下がらず、看病はやはり私一人だった。私がもう一日早退できないかと相談すると、夫はこともなげに言った。
「お前が休めばいいじゃん」
その一言に、私はもう何も返せなかった。
義母が見ていた光景
数日後、義母が孫の顔を見に来てくれた。子どもはまだ本調子ではなく、私の膝の上で寝息を立てている。
そこへ夫が帰宅した。
「ただいま。母さん、来てたの。それより今日のご飯は?」
義母の手が、ふと止まった。
「あなた、子どもが寝込んでるのに、最初に言うのがそれなの」
「えっ、いや……」
義母は静かに、けれどはっきりと続けた。
「あなたのお父さんと、そっくり同じことを言ってる。私はそれで、ずっと苦労してきたのよ」
夫の顔から、いつもの軽い笑いが消えた。
「この子の親は、あなたでもあるでしょう。熱の子より先に、ご飯なの」
夫は母親の目を見られず、視線を床に落とした。しばらく黙り込んでから、ようやく口を開く。
「……ごめん。気づいてなかった」
その声は、聞き取れないほど小さかった。隣で義母が、孫の髪をそっと撫でていた。
先に立ち上がった夫
あの日を境に、夫の態度は変わっていった。自分から「呼び出し当番を交代にしよう」と言い出したのだ。
「次は俺も早退できるよう、上に話しておくから」
口だけかと疑っていた。けれど先週、また保育園から電話が来たとき、真っ先に立ち上がったのは夫だった。
「今日は俺が行ってくる」
上着を羽織って、子どものもとへ駆けていく背中を、私は呆気にとられて見送った。
夜、帰ってきた夫が言う。
「あんなに大変だったんだな。今まで全部、任せきりにしてた」
「やっと、分かってくれたんだね」
夫は気まずそうにうなずいた。義母のたった一言で、我が家の景色はすっかり変わっていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














