「手際が悪いんだよ、20分も待つのか」店員が案内順を説明すると、怒っていた男性が黙った理由
名前を書いて待っていた昼下がり
友人との買い物の帰り、遅めのお昼を食べようとファミリーレストランに入りました。
店内に入ると、待合の椅子はほとんど埋まっています。
入口に置かれた受付表に名前と人数を書いて確認すると、私たちの前にはすでに何組ものお客さんが待っていました。
しばらく壁際で待っていると、近くに座っていた男性が立ち上がりました。
男性はカウンターへ行き、店員に声をかけます。
「あと、どれくらい待つの?」
店員が受付表を確認し、「20分ほどになるかと思います」と答えると、男性の表情が変わりました。
「20分?手際が悪いんだよ。さっき来た客が先に入ってただろ」
突然大きくなった声に、待合の空気が静かになります。
店員は少し驚いた様子でしたが、すぐに落ち着いて答えました。
「お待たせして申し訳ございません。空いたお席の人数に合わせて、順にご案内しております」
「でも、俺より後だっただろ」
男性は納得できない様子で、カウンター越しに身を乗り出しました。
店員は手元の受付表を確認します。
「先ほどは二名様用のお席が空いたため、二名でお待ちのお客様をご案内しました。お客様は四名様ですので、四名様でお座りいただける席が空き次第、ご案内いたします」
私もそこで初めて事情が分かりました。
受付した順番だけで、必ず同じ順に席へ案内されるとは限らないのです。
説明を聞いて、声が小さくなった
男性も同じだったようです。
「…そうなの?」
先ほどまでの勢いはなくなっていました。
「はい。ただ、お待ちいただいている順番も確認しながらご案内しております。できるだけ早くご案内しますので、もう少々お待ちください」
店員がそう答えると、男性は受付表のほうを一度見てから、小さく息を吐きました。
「そういうことなら、最初に言ってくれればよかったのに」
そう言いながらも、それ以上声を荒らげることはありませんでした。
男性は元の椅子へ戻り、腕を組んで座ります。
張りつめていた待合にも、少しずつ話し声が戻ってきました。
それからしばらくして、四人掛けの席が空いたようです。
店員が男性の名前を呼ぶと、男性は立ち上がり、家族と一緒に案内されていきました。
カウンターの前を通るときには何も言いませんでしたが、先ほどのような険しい表情ではありませんでした。
混雑している店では、「自分より後に来た人が先に案内された」と感じることもあります。
けれど、人数や空いた席によって案内の順番が前後することもあるのだと、そのとき初めて知りました。
大きな声で責められても感情的にならず、理由を一つずつ説明していた店員の姿が、今でも印象に残っています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














