「こんな小さい字、読めるか」クーポンを巡って声を荒らげた客。だが、店長が返した一言で状況が一変
夕方のレジから聞こえた大きな声
夕方のドラッグストアで買い物をしたときのことです。
会計を終え、袋詰め台で商品を袋に移していると、すぐ近くのレジから男性の大きな声が聞こえてきました。
「なんでこれが使えないんだよ」
男性が手にしていたのは、商品の割引クーポンでした。
どうやら同じ種類の商品でも、クーポンの対象になるものとならないものがあったようです。
レジの店員さんがクーポンを確認しながら説明します。
「申し訳ございません。こちらは対象商品が決まっておりまして、今回の商品にはご利用いただけないんです」
すると男性は、クーポンを指でたたきながら声をさらに大きくしました。
「こんな小さい字で書いてあったって読めないだろ。使えないなら、もう他の店に行くよ」
店員さんは困ったように何度も頭を下げています。
後ろには会計を待つ人も並んでいましたが、男性は周囲を気にする様子もありませんでした。
店長が確認した3行の注意書き
しばらくして、店の奥から店長らしき男性がやってきました。
「お待たせしました。確認させていただきます」
店長は男性からクーポンを受け取ると、裏面に書かれた利用条件を読みました。
たしかに文字は小さく、対象商品についての説明も数行の注意書きの中に入っています。
男性はそれを見て、勢いよく言いました。
「ほら、こんなの分からないだろ」
店長は少しうなずきました。
「文字が小さく、分かりにくかった点については申し訳ありません。表示については見直します」
男性の表情が少し緩みました。
しかし、店長は続けました。
「ただ、こちらのクーポンは対象商品が決まっておりますので、対象外の商品に割引を適用することはできません」
男性は一瞬黙りました。
「じゃあ結局、使えないってこと?」
「はい。今回の商品にはお使いいただけません」
店長の声は最後まで変わりませんでした。
翌週、レジ横で見つけたもの
男性はしばらくクーポンを見つめていましたが、やがて小さな声で言いました。
「……じゃあ、いいよ」
結局、その商品は買わずに店を出ていきました。
店長はレジの店員さんに何かを伝えると、そのまま売り場へ戻っていきました。
それから一週間ほどして、私はまた同じ店を訪れました。
会計を待っていると、レジの横に以前はなかった案内があることに気づきました。
「クーポン対象商品をご確認ください」
対象になる商品の条件が、以前より大きな文字で分かりやすく掲示されていました。
あの日、店長は男性の要求どおりに割引をすることはありませんでした。
けれど、分かりにくいという指摘まで無視したわけでもなかったのです。
ルールは変えず、直すべきところは直す。
レジ横の新しい案内を見ながら、あの日の店長の落ち着いた対応を思い出しました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














