「これ、なんて頼めばいいの?」ドーナツを注文した客。だが、注文時の発言で思わず笑ってしまったワケ
「輪っかので通じるよ」
大学生のころ、コンビニでアルバイトをしていました。
私がよく入っていた夕方の時間帯は、学校帰りの学生や仕事帰りのお客様でレジが混み合います。
当時、店ではレジ横のショーケースでドーナツを販売していました。
チョコがかかったものや、砂糖をまぶしたものなど種類はいくつかあり、そのうち数種類は真ん中に穴の開いたリング型でした。
ある日の夕方、若いカップルがショーケースの前で足を止めました。
女性が商品を見ながら、男性に尋ねます。
「これ、なんて頼めばいいの?」
すると男性は、あまり迷う様子もなく答えました。
「輪っかのやつって言えば通じるよ」
女性は「じゃあお願い」と笑い、男性がレジの前に立ちました。
「これ2つください」
「ありがとうございます。どちらになさいますか?」
私が尋ねると、男性はショーケースを指しながら言いました。
「あの、輪っかのやつ」
ところが、指したあたりにはリング型のドーナツがいくつか並んでいました。
チョコがかかったものもあれば、砂糖をまぶしたものもあります。
私は念のため聞き返しました。
「輪っかの形のものが何種類かあるのですが、どちらでしょうか?」
ショーケースを見直した男性
男性は一瞬きょとんとして、改めてショーケースを覗き込みました。
そして数秒後、隣にいた女性のほうを見ます。
「…ほんとだ。輪っか、何個もあるわ」
女性はすぐに笑い出しました。
「だから聞いたじゃん」
男性も少し照れたように笑っています。
「これだけあったら、輪っかじゃ分からないか」
さっきまで自信満々だった男性の様子がおかしくて、私もつられて笑ってしまいました。
二人は改めてショーケースを見比べます。
「じゃあ、チョコのやつと…」
「私は砂糖のやつがいい」
「それを1つずつお願いします」
今度はすぐに商品が決まりました。
私は指定されたドーナツを袋に入れ、会計を済ませました。
二人はまた笑いながら店を出ていきました。
接客をしていると、「あれ」「こっち」「いつもの」といった注文を受けることがあります。
お客様の中ではどの商品か決まっていても、店員には伝わらないことも少なくありません。
だからこそ、分からないときには思い込みで商品を渡さず、一度確認することが大切なのだと感じた出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














