「ここ座りたい!」混雑したバスで動き回る子ども。だが、見かねた乗客が声をかけた結果
混んだ車内を歩き回る女の子
夕方のバスに乗っていたときのことです。帰宅時間と重なっていたのか、車内には立っている人も多く、通路もかなり混み合っていました。
途中の停留所で、幼稚園くらいの女の子と母親が乗ってきました。
母親は入口近くにつり革を持って立ち、女の子はその横にいました。ところがバスが走り出してしばらくすると、女の子が一人で通路を歩き始めたのです。
空いている席を探しているようで、座席の背もたれに手をかけたり、座っている人の横まで近づいたりしていました。
「ここ座りたい!」
女の子がそう言いながら、年配の女性が座っている席の横に立ちました。
母親は少し離れたところにいましたが、特に声をかける様子はありません。
バスが揺れるたび、女の子の体も大きく傾きます。近くに立っていた人がぶつからないように体をよけていました。
見かねた乗客が声をかけると
そのとき、女の子のすぐ近くにいた女性が声をかけました。
「危ないから、お母さんのところに戻ろうね」
責めるような言い方ではなく、子どもに普通に話しかけるような口調でした。
女の子は女性の顔を見たあと、母親のほうを振り返りました。
しかし母親はその場を動かず、「こっちにおいで」と小さく言っただけでした。
女の子はすぐには戻らず、今度は別の座席の背もたれにつかまります。
先ほどの女性が、今度は母親に向かって言いました。
「走っていると危ないですよ。そばにいてあげたほうがいいと思います」
そこでようやく母親が女の子のところまで来て、手を取りました。
「ほら、こっちにいよう」
女の子は少し不満そうでしたが、そのまま母親の横へ戻りました。
運転手からも聞こえてきた言葉
ちょうどそのころ、バスが次の停留所に着きました。
乗り降りが終わったあと、発車する前に運転手から車内アナウンスが流れました。
「走行中は危険ですので、小さなお子さまから目を離さないようお願いいたします」
特定の誰かを名指しする言い方ではありませんでした。
母親は女の子の手を握ったまま、その場で小さくうなずいていました。
その後、女の子が通路へ出ていくことはありませんでした。
最初に声をかけた女性も、それ以上は何も言いませんでした。周囲の人たちも、またそれぞれ窓の外や手元へ視線を戻していきます。
子どもがじっとしていられないことはあると思います。ただ、混雑した走行中の車内では、転んだりほかの乗客にぶつかったりする危険もあります。
誰かを強く責めるのではなく、「危ないですよ」と伝えた乗客のひと言と、それを補うような運転手のアナウンスが印象に残った出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














