「待たせたんだから、何かサービスしてよ」混雑する店で値引きを求め続けた客。だが、店長が毅然とした態度で対応した結果
何度も呼ばれた昼どき
私がホールを担当している飲食店は、昼どきになると一気に混み合います。
その日も正午を過ぎるころにはほぼ満席になり、厨房には注文が次々と入っていました。
ご案内の際には、「ただいま混雑しているため、お料理の提供まで少しお時間をいただいております」とお伝えしていました。
それでも、料理を待っていた一人の男性客から、何度か声をかけられました。
「まだ来ないの?」
「申し訳ございません。ただいま順番にお作りしておりますので、もう少々お待ちください」
そう答えて厨房にも確認しましたが、注文が集中していて、そのお客様の料理だけを先に出すことはできません。
しばらくすると、また男性から呼ばれました。
「さっきから待ってるんだけど。あとどれくらい?」
私もそのたびに状況を確認し、できる限り具体的にお伝えしました。ただ、男性の表情は次第に険しくなっていきました。
店長が伝えた一言
ようやく料理が完成し、私がテーブルへ運ぶと、男性は皿を見るなり言いました。
「これだけ待たせたんだから、何かサービスしてよ」
私はもう一度お詫びしました。
「お待たせしてしまい、申し訳ございません」
ところが男性は納得しません。
「普通、こういうときは一品つけるとか、少し安くするとかあるでしょ」
私の判断ではお答えできないため、店長を呼ぶことにしました。
店長はテーブルまで来ると、まず男性に頭を下げました。
「お料理の提供が遅くなり、申し訳ございませんでした」
男性はすぐに、「じゃあ何かサービスしてくれるの?」と尋ねます。
すると店長は、落ち着いた口調で答えました。
「大変申し訳ありませんが、混雑による提供時間を理由とした値引きや無料でのお料理の提供は行っておりません」
さらに、来店時に待ち時間が発生することを案内していたことや、料理は注文順を基本に提供していることも丁寧に説明しました。
「でも、かなり待ったよ」
男性がそう言うと、店長はもう一度、「お待たせしたことについては、本当に申し訳ございません」と頭を下げました。
ただし、サービスについての返答は変えませんでした。
しばらく男性は不満そうな様子でしたが、やがて「分かったよ」と言い、料理を食べ始めました。
店長は最後まで声を荒らげることなく、謝るべきところはきちんと謝り、できないことは曖昧にせず伝えていました。
忙しいときほど、相手の勢いに押されてしまいそうになります。けれど、必要以上の約束をせず、落ち着いて説明することも接客には大切なのだと、その日の店長の対応を見て感じました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














