tend Editorial Team

2026.08.21(Fri)

「昔からそうだったから」正月の集まりで台所からほとんど出られなかった私の話を、夫が初めて聞いた結果

「昔からそうだったから」正月の集まりで台所からほとんど出られなかった私の話を、夫が初めて聞いた結果

この家では、それが当たり前になっていた

結婚して初めてのお正月、夫の実家には朝から親戚が集まっていた。挨拶を終えると、義母が私を台所へ呼んだ。とがめるような調子ではなく、ごく自然な口ぶりだった。

「女性なんだから、手伝ってちょうだいね」

台所には煮物の鍋や重箱が並んでいた。私はお茶を出し、取り皿を用意し、料理が減れば補充する。その合間にも、義母からこの家のやり方を一つずつ教えられた。

玄関の花の水を替え、洗面所を整え、来客前にはトイレもさっと掃除する。

「お客さんが来る前に、水回りは見ておくものなのよ」

廊下の先の居間からは、テレビの音と笑い声が聞こえていた。夫も義父も親戚の男性たちも、ほとんど席を立たない。それを不思議に思っている人もいないようだった。

食事が始まっても、私は座っては立つことを繰り返した。空いた皿を下げ、お茶を足し、洗い物をする。ようやく落ち着いて座れたころには、みんなが食べていたデザートもほとんど残っていなかった。

義母から「ずっと手伝わせちゃったわね」と言われ、私は反射的に笑った。

「大丈夫です」

車の中で、私は一日を順番に話した

帰りの車で、私は夫に「今日はほとんど台所にいた気がする」と話した。

夫は最初、何を言われているのか分からないようだった。そこで私は、トイレまで掃除することになったのは驚いた、と続けた。

すると夫は、前を向いたまま言った。

「昔からそうだったから」

悪気があるわけではないのだと思った。

夫にとっては、子どものころから見てきた光景だったのだろう。

それでも私は、そこで話を終わらせなかった。

「鍋を温めて、お茶を出して、料理を運んで、皿を下げて、洗ってた。みんなが座っている間、私はずっと立ったり座ったりしてたよ」

夫はしばらく黙っていた。

「そんなにやってたんだ」

その言葉を聞いて、私は夫が初めて一日の流れを知ったのだと分かった。

次の年のお正月。親戚が集まり始めると、夫は私と一緒に料理を運び、空いた皿を下げるようになった。

義母は最初こそ「あなたは座っていればいいのよ」と言ったが、夫は「二人でやるよ」とだけ答えた。

男性陣がみんな動くようになったわけではない。それでも夫が立つと、近くにいた親戚も自分の皿を台所まで持ってくるようになった。

昔からそうだったことも、誰かが一度立ち止まれば、少しずつ変わっていくのかもしれないと思った。

※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.08.21(Fri)

「リップも塗ってあげよう、似合うから」義母の最期の数日をそばで過ごした私。送り出す朝に私が口紅を持った理由
tend Editorial Team

NEW 2026.08.21(Fri)

「あの人って、家族とは実際どうだったの?」法事で答えにくい質問を繰り返す叔父。だが、親戚の一言で空気が一変
tend Editorial Team

NEW 2026.08.21(Fri)

「親孝行でもしなさい、暇なんだから」就職活動中に親戚の集まりに参加した私。だが、失礼な質問に思わず言い返した
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.05.17(Sun)

楽しんごの喫煙所減少への不満に賛否両論!ただ禁止するだけの規制はやりすぎか、それともマナー不足が招いた自業得得か
tend Editorial Team

2026.05.10(Sun)

不倫の甘い蜜は婚活の毒?ハイスペックな既婚男性に選ばれた記憶が招く、31歳女性の残酷な現実と勘違い
tend Editorial Team

2026.07.15(Wed)

「もう嫌い、あっち行って!」我が子に暴言を吐いた子供を叱らないママ。周囲の視線が集まり気まずくなった瞬間
tend Editorial Team