tend Editorial Team

2026.08.17(Mon)

「若い人なら、すぐ終わるでしょ」朝から台所に立ち続けた私。だが、親戚の一言に救われた

「若い人なら、すぐ終わるでしょ」朝から台所に立ち続けた私。だが、親戚の一言に救われた

「若い人なら、すぐ終わるでしょ」

夫の実家で迎える正月は、毎年たくさんの親戚が集まります。

その年も朝から座敷には人が集まり、私は義母と一緒に料理を並べるつもりで早めに起きました。

ところが義母は、「煮物は温めるだけだから」「お皿はそこにあるから」と言い残し、親戚が到着すると座敷へ行ってしまいました。

結局、私は一人でおせちを器に移し、煮物を温め、人数分の箸や取り皿を用意することになりました。

座敷からは楽しそうな話し声が聞こえてきます。

「小皿が足りないよ」

「お茶もお願い」

声がかかるたびに手を止め、棚を開けたり、お湯を沸かしたりしました。

夫も座敷にいました。何度か台所の前を通りましたが、「大丈夫?」と声をかけるだけで、そのまま戻っていきます。

昼近くになり、ようやく料理を出し終えたころ、義母が空になった皿を持ってきました。

「若い人は手際がいいから、こういうのもすぐ終わるでしょ」

私は思わず手を止めました。

朝からほとんど座っていません。それでも義母には、簡単に片付けているように見えているのだと思いました。

「まあ、これくらいはね」

そう答えて、私はまた流しに向かいました。せっかく親戚が集まっている日に言い返して、空気を悪くしたくなかったからです。

「朝からずっと一人でしたよ」

食事が終わると、今度は大量の皿が台所へ運ばれてきました。

夫が数枚だけ持ってきてくれましたが、すぐに座敷へ戻ってしまいました。

私は食器を洗い、残った料理を保存容器に移し、鍋や盛り皿を片付けました。

ようやく一段落して座敷へ戻ったときには、みんながお茶を飲みながらくつろいでいました。

すると、夫の従姉妹が私を見て言いました。

「○○さん、やっと座れましたね」

義母が不思議そうな顔をしました。

「そんなに忙しかった?」

すると従姉妹は、少し驚いたように答えました。

「私、朝早く着いたじゃないですか。そのときからずっと○○さん一人で台所にいましたよ」

さらに、

「お茶を取りに行ったときも、料理を運ぶときも、ずっと一人でした。片付けまでほとんどやってましたよね」

責めるような言い方ではありませんでした。ただ、自分が見たことをそのまま話しただけでした。

義母は少し黙ったあと、私のほうを見ました。

「そんなにやってたの。気づかなかったわ」

それまで何も言わなかった夫も、気まずそうに「俺ももっと手伝えばよかったな」と言いました。

私は「もう終わったから大丈夫」とだけ答えました。

誰かに褒めてもらいたくて動いていたわけではありません。それでも、ずっと「簡単にやっている」と思われているのは少し寂しいものです。

誰も見ていないと思っていた朝の台所。それを見ていた人が一人いたことが、私には何よりうれしく感じられました。

※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.08.19(Wed)

「1時間半では足りない、延長しろ」食べ放題で声を上げ続けた客。だが、スタッフの一言で状況が一変
tend Editorial Team

NEW 2026.08.19(Wed)

「我慢させるとワガママになるよ」娘にチョコを勝手にあげようとした義母。だが、初めて言い返した結果
tend Editorial Team

NEW 2026.08.19(Wed)

「夜11時を過ぎても、家具を動かす音がする」一度は我慢した私が、管理会社へもう一度相談した結果
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.06.09(Tue)

「そういう決まりだから」1年で済むはずの役員任期を勝手に4年に延長した町内会長→反論を封じられて呑み込んだ言葉
tend Editorial Team

2026.03.12(Thu)

「うちの家まで泥水が飛んできてるんですけど!」隣人の外壁塗り替え工事でのトラブル。他人事のような口ぶりの隣人に正論をぶつ...
tend Editorial Team

2026.04.15(Wed)

「ごめん、今日やっぱり無理」私を振り回す気まぐれな彼。思い切って連絡を絶ったら、最高すぎる出会いが待っていた
tend Editorial Team