「もう会っていないと言ったのに」駅前で妻と知らない男性を見かけた私。だが、帰宅後に確かめた結果
「もう会っていない」と聞いていた人が、妻の隣にいた
用事を済ませた帰り道、私は普段ほとんど利用しない駅で電車を降りました。
改札を抜けて人の流れに沿って歩いていると、少し先に見慣れた後ろ姿がありました。
妻でした。
その隣には、私の知らない男性がいました。二人は立ち止まって話したあと、並んで駅前の通りを歩いていきます。
私はその場で足を止めました。
というのも、妻から以前、その男性について聞いたことがあったからです。
妻が前の職場を辞めたあとも、元上司からときどき連絡が来ていると知り、私は何気なく尋ねたことがありました。
「最近も、その人と会ってるの?」
すると妻は、
「もう会ってないよ。連絡が来ても、たまに返すくらい」
と答えていました。
私はそれ以上、何も聞きませんでした。
妻にも昔からの人間関係がありますし、必要以上に口を出したくなかったからです。
だからこそ、駅前でその男性と一緒にいる妻を見たとき、すぐには状況を受け止められませんでした。
呼び止めようかとも思いました。しかし、人通りの多い場所で感情のまま声をかけても、落ち着いて話せる気がしません。
私はそのまま家に帰ることにしました。
問題だったのは、会っていたことより隠されていたこと
帰宅してからも、頭の中ではいろいろな考えが浮かびました。
もしかすると、たまたま会っただけかもしれません。
仕事の相談かもしれない。それなのに勝手に悪い方向へ考えるのも違うと思いました。
一方で、「もう会っていない」と聞いていたことだけは引っかかります。
妻が帰宅すると、私はできるだけ普段と同じ声で話しかけました。
「今日、駅前にいたよね」
妻の表情が変わりました。
私は続けました。
「一緒にいたの、前の職場の人?」
しばらく黙ったあと、妻は「そう」と答えました。
話を聞くと、妻は以前の職場に戻らないかと声をかけられていて、その相談のために何度か元上司と会っていたそうです。
妻には、会っていることを私に言わなかった理由もありました。
私は以前、妻が前の職場で忙しくしていたころに「また同じ働き方に戻ったら大変なんじゃないか」と話したことがあります。
その言葉を妻は覚えていて、復職の話をすれば私に反対されると思っていたそうです。
「まだ戻るって決めたわけじゃなかったから、話がまとまってから言おうと思ってた」
妻はそう言いました。
事情を聞けば、隠したくなった気持ちがまったく分からないわけではありません。
それでも私は、ひとつだけ伝えました。
「会ってたことより、会ってないって言われたことのほうがつらかった」
妻は黙ってうなずきました。
その夜は、妻がこれからどんな働き方をしたいのか、私が何を心配していたのかを久しぶりにゆっくり話しました。
相手を心配するあまり先回りして意見を言うことと、心配をかけたくないから事実を隠すこと。そのどちらも、積み重なれば夫婦の間に距離をつくってしまうのだと思います。
駅前で妻を見かけたときは、悪い想像ばかりが浮かびました。しかし、勝手に結論を出さずに本人と話したことで、ようやく本当に向き合うべき問題が見えた気がしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














