「公園で会うと、私たちいつも話すよね」犬の散歩中に出会った女性。だが、静かに距離を置いた理由
三人になると、話し方が変わる人
犬の散歩で毎朝のように顔を合わせるうちに、自然と言葉を交わすようになった人がいました。犬の名前を覚え合い、天気の話をして別れる。それくらいの気楽な間柄です。
ただ、何度か話すうちに、少し気になることも増えていきました。
ふたりきりになると、その人は私の車や外出についてよく聞いてきたのです。
「昨日、夜まで車なかったよね。どこか行ってたの?」
「朝、ずいぶん早く出てたよね」
悪気があるようには見えませんでした。近所だから目に入っただけなのかもしれません。それでも、そこまで見られていたのかと思うと、少し落ち着かない気持ちになりました。
「ちょっと用事があって」
そう答えて、詳しくは話さないようにしていました。
さらに気になったのは、別の散歩仲間が加わったときです。
三人になると、その人は急に話し方が変わりました。私ではなく、もう一人の相手に向かって楽しそうに話し始めます。
「公園で会うと、私たちいつも話すよね」
そう言いながら、ちらりと私のほうを見ました。
「ね、そうだよね?」
「まあ、会えば話しますね」
私は曖昧に笑って返しました。
仲が悪いわけではありません。ただ、私との関係を誰かに見せるために持ち出されているような感じがして、少し居心地が悪かったのです。
話さないことを決めてから、少し楽になった
それから私は、その人に何か聞かれても、必要以上に答えないことにしました。
「昨日はどこに行ってたの?」
「ちょっと出かけてました」
それだけ答えて、こちらから話を広げません。
散歩の時間や道順も少しずつ変えました。わざわざ避けていると分かるようなことはしませんでしたが、毎朝必ず顔を合わせる状況ではなくなりました。
ある日、また三人で立ち話になったときも、その人は以前と同じように言いました。
「私たち、よくここで話してるんですよ」
私は否定も肯定もせず、「そうですね」とだけ返しました。そして犬が歩き出したところで、「じゃあ、また」と会釈をして、その場を離れました。
数日後、そのとき一緒にいた散歩仲間と二人になりました。
相手は少し迷うような顔をしてから、
「あの人、けっこういろいろ聞いてきますよね」
と小さな声で言いました。
「そうなんです。私はちょっと距離を取ろうかなと思ってて」
そう返すと、その人はうなずきました。
「それなら、無理に話を合わせなくてもいいと思いますよ」
同じように感じていた人もいたのだと分かり、少し気持ちが軽くなりました。
その後も、会えば挨拶はしています。ただ、以前のように長く立ち話をすることはなくなりました。
少し離れたところで、その人が別の散歩仲間と楽しそうに話している姿を見ることもあります。それを見ても、今は特に気になりません。
誰とどこまで付き合うかは、自分で決めていいのだと思います。今では余計なことを気にせず、犬との朝の散歩を楽しめるようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














