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2026.08.31(Mon)

「隠そうとしました。ごめんなさい」割れた商品を棚の下へ寄せていた客。だが、店員が見せた行動とは

「隠そうとしました。ごめんなさい」割れた商品を棚の下へ寄せていた客。だが、店員が見せた行動とは

割れる音のあと、棚の前に立っていた人

雑貨店で働いていたころの話です。食器やフレグランスなど、割れ物を多く扱う店でした。

商品をうっかり落としてしまうお客さんは、年に何度かいらっしゃいます。そんなときは、まず怪我がないかを確認して、スタッフが破片を片づけることになっていました。

ある日、売り場の奥から「ガシャン」と大きな音がしました。

慌てて向かうと、一人のお客さんが棚の前に立っています。足元を見ると、割れた商品の破片があり、その一部を靴先で棚の下へ寄せようとしていました。

私と目が合うと、その人はびくっとしたように足を止めました。

「あ……ごめんなさい。ちょっと落としちゃって」

そう言いながら、その場を離れようとします。

私は反射的に責めそうになりました。でも、先に気になったのは怪我でした。

「お怪我ないですか?手とか足、大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫。別に怪我はしてないから」

少し早口で答えると、また歩き出そうとします。

私はほうきとちりとりを持ってきて、棚の下をのぞきました。

「あ、ちょっと待ってください。ここにも破片が入ってますね」

細かな破片がいくつも見つかりました。

「大丈夫です。怒ってるわけじゃないんです。ただ、このまま残ると危ないので……片づけだけさせてください」

そう言うと、その人は少し気まずそうな顔で立ち止まりました。

「すみません、隠そうとしました」

私はしゃがんで、棚の下から破片を少しずつ掃き出しました。

すると後ろから、小さな声が聞こえました。

「……すみません」

振り返ると、その人はまだそこに立っていました。

「落としたのは、本当にわざとじゃないんです。でも、割れたの見たら焦っちゃって……」

そこで一度言葉を止めてから、さらに声を落としました。

「隠そうとしました。ごめんなさい」

私は少し驚きました。

「そうだったんですね。でも、お怪我がなくてよかったです。破片は危ないので、あとは私がやりますね」

「はい……本当にすみません」

最初とは違って、その人は何度か頭を下げてから店を出ていきました。

責める言葉をぶつけたわけでも、長く注意したわけでもありません。ただ「怪我はありませんか」「危ないので片づけます」と伝えただけでした。

それ以来、店内で何かが割れる音を聞くと、私は以前より意識して最初の言葉を選ぶようになりました。

「大丈夫ですか?お怪我ありませんか?」

そう声をかけると、「すみません、落としてしまいました」とほっとしたように話してくださる方が多かったです。

もちろん、割れた商品をそのままにしていいわけではありません。それでも、最初から責めるより、まず安全を確認したほうが、お互いに落ち着いて話せることもあるのだと知った出来事でした。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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