「まずは建物全体へのご案内にしますね」夜10時を過ぎても続く足音。だが、管理会社が取った対応とは
夜10時を過ぎても、上から足音のような音が聞こえた
そのマンションに引っ越して半年ほど経ったころ、夜になると上のほうから足音のような音が聞こえるようになりました。
部屋の端から端へ走っているような音が続くこともあります。昼間ならそれほど気になりません。
しかし、眠ろうとする夜10時を過ぎても続く日は、どうしても耳がそちらへ向いてしまいました。
最初のうちは、「子どものいる家なら仕方ないのかもしれない」と思っていました。毎晩というわけでもありません。
それでも数週間続くうちに、音が始まると「今日は何時まで続くだろう」と考えるようになりました。翌朝まで疲れが残る日もあり、私は管理会社へ相談することにしました。
「夜10時を過ぎてから、上のほうから走るような音が聞こえることがあるんです」
担当の方は物件や部屋について必要な確認をしたあと、音が聞こえる時間帯や、どのような音なのかを聞いてくれました。
私は、上の階から聞こえているように感じることも伝えました。
すると担当の方は、すぐに特定の部屋へ連絡するとは言いませんでした。
「音は建物の中で響くこともありますので、まずは建物全体へのご案内という形にしますね」
その言葉を聞いて、少し安心しました。私も、音がするというだけで誰かの部屋を決めつけることには抵抗があったからです。
そして最後に、担当の方はこう言いました。
「夜10時以降の生活音にご配慮ください、という内容で全戸へ通知します」
ポストに入っていたのは、どの部屋にも同じ一枚だった
数日後、一階の掲示板に生活音についての案内が貼られていました。同じ紙が、各部屋のポストにも入っていました。
そこには特定の部屋については何も書かれていません。夜遅い時間帯の足音や扉の開閉など、生活音への配慮をお願いします、という内容でした。
私もその紙を読みながら、自分の出している音も思っている以上に響いているかもしれない、と少し気になりました。
その後、音が完全になくなったわけではありません。
ただ、夜遅くまで続く日は少しずつ減っていきました。聞こえてきても、以前より早い時間に静かになることが増えました。
廊下でほかの住人と会っても、これまでと変わらずあいさつをしています。誰から相談があったのか、どの部屋の音だったのかを話すこともありません。
直接誰かの家へ行っていたら、相手を決めつけたまま話してしまったかもしれません。管理会社を通したことで、必要以上に関係をこじらせずに済みました。
今でも生活音が聞こえる夜はあります。それでも、布団の中で音が終わる時間を数えることは、ほとんどなくなりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














