「あの家はケチだって話になってた」欠席した親族の食事会で、内祝いの金額まで比べられていた
従兄からの電話は、前置きが長かった
内祝いを送って半月ほどたった夜、従兄から電話がかかってきました。
普段は年に二度ほどしか話さない相手です。天気の話が二往復したあと、従兄は少しためらうように言いました。
「あのさ。怒らないで聞いてくれるか」
子どもが眠ったばかりで、私は声を落として返事をしました。
「この前の食事会でさ。内祝いの話になったんだよ」
その食事会には私たちも呼ばれていましたが、妻の体調を考えて欠席していました。
従兄によると、話の流れで「うちには6千円くらいのものが届いた」「うちはそれより安かった」という話になったそうです。
そして、その場で誰かがこう言ったといいます。
「あの家はケチだって、そんな話になってた」
私は思わず聞き返しました。
「値段まで比べたの?」
「箱を持ち寄ったわけじゃないよ。それぞれ何が届いたか話しているうちに、金額の話になったみたいで」
従兄も詳しい発言者までははっきりさせませんでした。
ただ、私たちのいないところで、内祝いの金額が話題になっていたことだけは分かりました。
ノートに残っていた、六軒分の数字
電話を切ったあと、私は内祝いを決めたときのノートを開きました。
そこには六軒の名前と、いただいた金額を書いてありました。
五軒は1万円、一軒だけが5千円。返した品は、1万円の家には6千円、5千円の家には3千円です。どちらもいただいた金額の六割になるようにそろえていました。
妻も横からノートを見て、少し困ったような顔をしました。
「全部の家に何を送ったかなんて、私たちしか知らないと思ってたね」
「それぞれが話せば、分かることではあるけどね」
内祝いを選んだとき、家によって差をつけたいと思ったわけではありません。いただいた額に合わせただけでした。
だからといって、あとから一軒ずつ事情を説明して回るのも違う気がしました。
次に会っても、その話は出なかった
翌週、親族が集まる機会があり、私たちも子どもを連れて顔を出しました。
何人かが子どもの写真を見たり、抱かせてほしいと笑ったりしていました。私は少しだけ身構えていましたが、内祝いの話を持ち出す人はいませんでした。
妻とも、その場では何も言わないことにしました。
帰宅してから、私はもう一度ノートを閉じました。
金額をそろえなかったことには理由があります。それでも、受け取った側から見れば「うちだけ違った」と感じることもあるのでしょう。
事情を知らないまま話が広がることもある。そう分かっただけで、親族への贈り物は思っていた以上に難しいものだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














