「3社分だから、9千円ね」面接で一日中歩き回ったと言い張る居候の弟。私が持ってきた革靴を見て白旗
交通費をせびる居候の弟
居候の弟は、面接と言っては交通費をせびってきます
3か月前から、弟が私のマンションに住みついています。
仕事が見つかるまでの約束なのに、私が帰宅すると、いつもソファでゲームをしています。
実家の母に弟を頼まれていて、追い出せば母から責められると思い、これまでは強く言えずにいました。
その夜も、仕事から帰った私に目も向けず、弟はゲームの画面に向かって叫んでいました。
「ネットが重くて負けたじゃん!」
「面接の交通費、3千円ね。」
弟は、交通費に加えて靴の修理代まで求めてきました
面接に行ったと言っては、弟は3千円を要求してきます。
昼間会社にいる私には、本当に行ったのか確かめようがありません。
交通費の内訳を聞いても、はっきり答えてくれませんでした。
続けて、弟は私に手のひらを突き出しました。
面接に落ちるのは、かかとのすり減った靴のせいだと言うのです。
「革靴はこの1足しかないし。」
「修理代、5千円ちょうだい。」
お金を渡しても、何に使われるのか分かりません。私は、考えておく、とだけ答えました。
弟はつまらなそうに、ゲームに目を戻しました。
ただ、革靴のかかとがすり減っているのは事実でした。
今後、本当に面接へ行くなら必要なものです。現金を渡す代わりに、私が直接修理を頼むことにしました。
翌日の夜、弟は面接で一日中歩き回ったと言いました
翌朝も、私はいつもどおり早くに家を出ました。
弟からその日の面接予定は聞いていませんでした。
私は玄関に置かれていた革靴を持ち、出勤途中にある靴の修理店へ立ち寄りました。
夕方までに仕上がると確認してから預け、会社へ向かったのです。
その夜帰ると、弟は昨日と同じ灰色のスウェット姿でゲームをしていました。私を見るなり、得意げに言います。
「今日、急に面接が3社入ってさ。」
「革靴で一日中、歩き回ったよ。」
私は思わず弟の顔を見ました。朝から夕方まで、あの革靴は修理店に預けてあったはずです。
3社回ったと言う弟
弟は手のひらを突き出し、3社分の交通費を求めました
足が棒だよ、と弟は伸びをして、手のひらを突き出しました。
「3社分だから、9千円ね。」
「出さないなら、母さんに電話する。」
明日も面接があるんだから、と弟は笑います。私は何も言わずに背を向け、リビングを出ました。
その言葉が本当なのか、確かめたいと思ったのです。
私は、朝から修理店に預けていた革靴を持ってきました
戻ってきた私は、黒い革靴を両手にのせて、弟の前に差し出しました。
すり減っていたかかとには、新しいゴムが取り付けられています。
「今朝、靴屋さんに預けた革靴よ。」
「一日中、お店の棚にあったの。」
修理代を渡す代わりに、私が直接修理を頼んでいたのです。
朝、弟が眠っているうちに玄関から持ち出し、出勤途中の修理店に預けました。
そして、仕事帰りに私が受け取り、玄関の靴箱の上に置いておいたのです。
修理中を除き、革靴はずっと店で保管されていました。
少なくとも、弟がその革靴を履いて一日中歩き回ったという話は、事実ではありません。
自分の言葉で逃げ道をふさがれ、弟は白旗を上げました
弟の目が、革靴と私を行き来しました。
「べ、別の靴で行ったんだよ。」
「革靴はこの1足、って言ったよね?」
革靴で一日中歩き回った、と言ったのも弟です。別の靴で面接に行った可能性までは否定できませんが、少なくとも先ほどの説明は嘘だったことになります。
私が黙って返事を待っていると、弟はコントローラーをソファに落とし、両手を小さく上げました。
やがて、今日はずっと家にいた、とかすれた声で白状しました。
ちなみに、私が実際に支払った靴の修理代は2千円。弟が要求した5千円よりも安く済みました。
これまで母に何を言われるか気にして、弟の要求を断りきれずにいました。しかし、もうこれ以上、言いなりになるつもりはありません。
交通費は、もう出さない。今月中に、この靴で本当に面接へ行くか、この家を出ていくか、自分で決めて。母さんには、今日のことを私から電話しておくね。私はそう告げました。
明日の面接も、本当にあるならこの靴で行けるね。そう言うと、弟は目をそらしたまま、ゲームの電源を切りました。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














