「ちょっと話してるだけだし」授業参観中も笑い続ける母親。だが、息子の反論で赤面した瞬間
授業中なのに止まらない母親たちのおしゃべり
子どもの小学校へ授業参観に行った日のことです。
事前に配られた学校のお便りには、参観中の私語は控えるようにと書かれていました。
教室の後ろには保護者たちが並び、子どもたちは前を向いて先生の話を聞いていました。
ところが授業が始まってしばらくすると、私の隣から話し声が聞こえてきたのです。
見ると、隣に立っていた母親がママ友と顔を寄せ合っていました。
最初は小さな声だったのですが、次第に笑い声まで聞こえるようになりました。
「見て、うちの子。先生の話、全然聞いてないじゃない」
母親は教室のなかほどに座っている自分の息子を指さしながら、笑っています。
「あはは、うちの子も似たようなもんよ」
二人は顔を見合わせ、また笑い始めました。
けれど、私から見える男の子は背筋を伸ばし、先生の手元をじっと見ています。少なくとも、ふざけたり、よそ見をしたりしている様子はありません。
むしろ、先生の話を聞いていないのは母親のほうではないかと思いました。
男の子の一言で静まり返った教室
二人のおしゃべりは、なかなか止まりません。
先生の説明が聞き取りにくくなるほど声が大きくなり、ほかの保護者も困ったような顔で二人を見ていました。
「ここ、大事なところですよ」
先生が少し声を張りましたが、母親は相変わらずママ友との話に夢中です。
さすがに気になったのか、ママ友が母親の腕を軽くつつきました。
「ねえ、ちょっと。声、大きくない?」
「えー、大丈夫でしょ。ちょっと話してるだけだし」
母親はそう言って、また笑います。
もうすぐわが子が発表する番です。先生の問いかけまで聞き逃してしまいそうで、私は落ち着きませんでした。
「すみません、少し静かにしてもらえますか」
そう声をかけようか迷っていた、そのときです。
教室のなかほどで、椅子が小さく鳴りました。
先ほど母親に指さされていた男の子が、座ったまま後ろを振り返ったのです。
そして、自分の母親をまっすぐ見つめ、大きな声で言いました。
「ママも先生の話きいてないじゃん」
その瞬間、教室がしんと静まりました。
前の席の子どもたちは後ろを振り向き、保護者たちの視線も母親に集まります。
「えっ……ち、違うのよ……」
母親は慌てて何か言おうとしましたが、言葉が続きません。
耳まで真っ赤になり、気まずそうに前を向きました。隣のママ友も、すっかり黙り込んでいます。
「はい、じゃあ続きをやりますよ」
先生が穏やかに声をかけると、男の子は何事もなかったように黒板へ向き直りました。
それから授業が終わるまで、後ろの保護者たちの私語は聞こえなくなりました。
おかげで先生の声もよく聞こえ、わが子の発表も最後までしっかり聞くことができました。
母親を責めるでもなく、ただ思ったことを口にしたような男の子の一言。
大人がなかなか言い出せなかったことを、子どもがまっすぐ伝えた瞬間が、今でも印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














