「親友なら、黙って貸してよ!」前の3万円も返さず、10万円をせがむ友人。だが、お金を渡す寸前に黙り込んだ
カフェで泣きつく友人
毎週お茶をする友人が、涙ぐんで10万円を頼んできました
大学時代からの友人とは、もう10年、毎週土曜日に同じカフェでお茶をするのが習慣になっていました。
ただ、その週だけは友人から急ぎの相談があると言われ、木曜日の夕方に会うことになったのです。
その日、友人はカップに手もつけず、涙ぐんだ目で私に両手を合わせました。
カードの支払いが遅れており、カード会社から届いた払込票の期限が翌日の金曜日に迫っているというのです。
「10万、貸して!」
「給料日に、必ず返すから!」
前の3万円を言いかけると、友人は逃げないと言い切りました
私はすぐに返事ができませんでした。半年前に貸した3万円も、翌月に返すと言われたまま、まだ戻ってきていないのです。
そのことを口にしかけると、友人はテーブルに身を乗り出しました。
「この町から一生出ない!」
「毎週会うんだし、逃げたりしない!」
前の3万円も給料日に一緒に返すから、と友人は涙をぬぐいました。
お金もないのに、どこに行くのよ、と泣き笑いします。
親友なら貸してと声を上げられ、私は断れずにうなずきました
それでも黙っている私に、友人は急に声を大きくしました。
「親友なら、黙って貸してよ!」
周りの席の話し声が、ふっと止みました。10年来の友人を疑っている自分が、ひどく冷たい人間に思えました。ここで断れば、泣いている友人を人前でさらに責めることになります。
「…分かった。」
明日中に払わないと止められるの。明日は夕方まで家を空けられないから、夕方に持ってきて、と友人は言いました。
夕方に受け取っても、近くのコンビニで払込票を使って支払えるとのことでした。私は不安を抱えながらも、お金を届ける約束をしてしまったのです。
お金を届ける約束
次の日の夕方、私はお金を持って友人の家へ行きました
翌日の金曜日。私はATMで下ろした10万円を無地の封筒に入れ、友人のアパートへ向かいました。
本当に返ってくるのか、不安がないわけではありません。
それでも、毎週顔を合わせてきた友人です。私は封筒を手に、ドアの前でチャイムを鳴らしました。
「来たよ。」
友人の後ろには、段ボール箱が天井近くまで積まれていました
ドアが半分ほど開き、友人が笑顔で片手を差し出しました。
「ありがと、助かる!」
封筒を渡そうとして、私の手が止まりました。
友人の肩の向こう、細い廊下から部屋の奥まで、茶色の段ボール箱が天井近くまで積み上がっていたのです。
奥の部屋は窓のカーテンまで外され、がらんとしていました。
「その段ボール、引っ越すの?」
毎週会っているのに、引っ越しの話は一度も聞いていません。
しかも、昨日は「この町から一生出ない」とまで言い切っていたのです。
自分の言葉を返され、友人はドアの縁をつかんで黙り込みました
私は封筒を胸元に引き戻しました。友人は差し出した手を、あわてて引っ込めました。
「遠くに行っても、ちゃんと返すから!」
「この町から一生、出ないんだよね?」
友人はドアの縁をつかんだまま、黙り込みました。
引っ越すこと自体は悪いことではありません。しかし、返済を心配する私に、この町から出ないと断言していたのは何だったのでしょうか。
目の前の荷物を見る限り、引っ越しの準備は昨日今日始めたものではなさそうです。
それなのに、友人は何も話さず、私に10万円を貸させようとしていました。
カードの支払いが本当だったとしても、これ以上、友人の言葉を信じることはできません。
私は封筒をバッグにしまいました。
10万円は貸せないこと、半年前の3万円を返してほしいことを伝えました。
毎週会えるから逃げないと言っていたのに、引っ越しの予定を隠していた。そのことが何より悲しかったのです。
いつ引っ越すのか尋ねても、友人は答えません。私は、せめて前に貸した3万円だけは今日返してほしいと伝え、その場で待つことにしました。
友人は廊下の左右を見回すと、顔を真っ赤にして奥へ戻りました。
しばらくして戻ってきた友人は、3万円を黙って私の手にのせました。
手元に現金があったのなら、なぜ今まで返してくれなかったのでしょうか。
私は受け取ったお金をバッグにしまい、友人の部屋をあとにしました。
10年来の付き合いだったからこそ、最後まで隠し事をされたことが残念でなりませんでした。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














