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2026.10.17(Sat)

「また少しだけお願いできる?」30年以上、実家にお金を送り続けた私が、給料日後の母からの電話に出られなくなった理由

「また少しだけお願いできる?」30年以上、実家にお金を送り続けた私が、給料日後の母からの電話に出られなくなった理由

実家からの着信に手が止まる

昼、台所で洗い物をしていると、テーブルに置いた携帯電話が鳴りました。

画面には「実家」の文字。

手を伸ばしかけた私は、思わず動きを止めました。

もう仕送りはしていません。それなのに、今も電話に出るのが怖いのです。

呼び出し音を聞いているだけで、母とのやり取りが頭に浮かんできます。

働き始めてから30年以上、私は両親やきょうだいに、生活費が足りないと頼まれるたび、お金を送ってきました。

家族なのだから助けるのが当然だと思っていました。ボーナスもほとんど自分のためには使わず、借用書を書いてもらったことも、お金を返してもらったこともありません。

母はいつも、何げない話から切り出しました。

「元気にしてる?声が聞きたくてね」

「うん、元気だよ。そっちは?」

「それがね、今月ちょっと厳しくて…また少しだけお願いできる?」

「……分かった。送っておくね」

「ありがとう。来月にはちゃんと返すから」

「うん。体に気をつけてね」

本当は断りたいと思うこともありました。でも、母の声を聞くと、なかなか言い出せませんでした。

結局、翌月になってもお金は返ってきません。それでも次に電話がかかってくると、私はまた同じ返事をしてしまうのです。

30年以上の振込記録を見て気づいたこと

ある夜、居間のテーブルに古い通帳と振込の控えを全部広げ、日付順に並べてみました。

合計を出した瞬間、数字から目が離せなくなりました。

家が建つほどの額になっていたのです。

これだけあれば、自分の老後の心配も少しは減ったのに。そう思うと、胸が苦しくなりました。

そして、もう一つ気になったのが振込の日付でした。どれも給料日やボーナスのすぐあとだったのです。

「こんなに、ぴったり…」

転職して給料日が変わった年の控えも探しました。すると、その翌月には新しい給料日の直後に家族から電話があり、振り込んでいたことを思い出しました。

家族は、私の給料日を知っていたのでしょうか。

偶然だったのかもしれません。振込日には私自身の都合もあったはずです。

それでも、いつもお金が入ったばかりの時期に頼まれ、何十年も応じてきたことが、改めて重く感じられました。

私は振込に使っていた口座を変えました。そして、もうお金を送るのはやめました。

その後も実家から何度か電話が来ましたが、出ずにいました。

そして今日も、給料日のすぐあとの昼です。

携帯電話はまだ鳴っています。出れば、またあの言葉が聞こえてきそうです。

「また少しだけお願いできる?」

もうお金は送らないと決めたはずなのに、画面の「実家」の文字を見るだけで、体が動かなくなります。

私は携帯電話に伸ばしかけた手を止めたまま、着信が切れるまで、ただ画面を見つめていました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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