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2026.10.24(Sat)

「独り占めする気だ」バイキングでサーモンを山盛りにする女性。だが、あきれながら見ていた私が会場の奥で知った事情

「独り占めする気だ」バイキングでサーモンを山盛りにする女性。だが、あきれながら見ていた私が会場の奥で知った事情

今夜だけの海鮮

家族で温泉旅館に泊まったときのことです。

夕食はバイキング形式で、海鮮コーナーには料理が並んだときから列ができていました。

「海鮮は朝には出ないんだって。今のうちに取ってきたら?」

夫にそう言われ、私は席を立ちました。

「じゃあ、サーモン多めにもらってくるね」

列に並ぶと、少し先で私より年上に見える女性がサーモンを取っていました。

ところが、その女性はなかなか動きません。

トングでサーモンをつかんでは、自分の皿へ。何度も同じ動作を繰り返しています。

皿の上にはサーモンがどんどん積み上がり、反対に大皿のサーモンは目に見えて減っていきました。

「えっ、まだ取るの…?」

思わず心の中でつぶやきました。

後ろからも小さなざわめきが聞こえてきます。

夫にサーモンを多めに取ってくると言ったものの、このままでは私の番まで残っていないかもしれません。

そんなとき、私のすぐ前に並んでいた別の女性が、山盛りの皿を見て目を丸くしました。

ところが次の瞬間、その女性は口元を手で覆い、肩を小刻みに震わせ始めたのです。

「え…笑ってる?」

私は思わずその顔を見ました。

けれど、こちらは笑うどころではありません。

「独り占めする気だ」

そう決めつけながら、減っていくサーモンを見つめていました。

山盛りのサーモンはどこへ?

ようやく女性はトングを置き、こぼれそうな皿を両手で抱えて会場の奥へ向かいました。

私の前で笑っていた女性も料理を取り終え、列を離れていきます。

私は残っていたサーモンを少しだけ取りました。

「あの量、どうするんだろう…」

小さくつぶやきながら席へ戻ろうとした、そのときです。

会場の奥にある大人数用の長いテーブルで、先ほどの女性がサーモンを配っているのが見えました。

「ほら、取ってきたよ。好きなだけ食べなさい」

「やった!おばちゃん、さすが!」

「こんなにあるの?ありがとう!」

テーブルのあちこちから、うれしそうな声が上がっています。

どうやら女性は、一緒に来た家族や親戚の分までまとめて取っていたようです。

さらに驚いたのは、そのテーブルに、さっき私の前で肩を震わせていた女性もいたことでした。

その女性は目じりをぬぐいながら、サーモンを運んできた女性に話しかけました。

「お姉ちゃん、さっき列で笑うのこらえるの、大変だったよ。あんなに山盛りにするんだもん!」

「だって、みんなで食べるんだから」

そう言って笑う姿を見て、ようやく事情が分かりました。

あの女性が肩を震わせていたのは、身内の豪快な盛りっぷりがおかしかったからだったのです。

私はてっきり、一人で全部食べるつもりなのだと思っていました。

もちろん、後ろに並んでいる人のことを考えれば、あの取り方には少し驚きます。それでも、事情を知らないまま勝手に悪く決めつけていたのも事実です。

さっきまで真顔でサーモンの減り具合を気にしていた自分が、なんだかおかしくなってきました。

こらえきれずに笑いながら席へ戻ると、夫が不思議そうな顔をしました。

「遅かったね。何かあった?」

「ふふ、ちょっとね。サーモン、すごく人気だったよ」

しばらくして大皿にサーモンが補充されると、私ももう一度取りに行きました。

今度は焦ることなく、少し多めにサーモンを皿に盛りました。

あの山盛りの光景を思い出すと、今でも少し笑ってしまいます。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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